中国文学「西遊記」の巻 | ゆうちゃんママのひとりごと

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小学校の図書館には、必ず置いておきたい中国文学といえば、

「西遊記」「三国志」「水滸伝」

の3つでしょうか。
うちの学校にも、一応あるんですが、ちゃんと巻数がそろっていなかったりしてイマイチ。

そこで、今回この3作をきちんと揃えなおそうと思いました。


だけどね~、西遊記だけでも300ぐらいの訳本があるらしいんですよ。
その中でどれを選ぶかってのはとてもとても迷う作業です。

最近はネット上で読めるものもありますが、なかなかね。
今回は、岩波少年文庫の西遊記を購入しました。
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      「西遊記」 岩波少年文庫

伊藤貴麿さんの訳です。
この方は、一度西遊記を全訳されたこともある方なので、西遊記の魅力を十分にわかっていらっしゃる。

私はドラマや絵本ぐらいでしか西遊記を知らなかったのですが、悟空がこんなに魅力的なキャラクターだとは思いませんでした。

短慮でせっかちなところがあって、敵をすぐに打ち殺しちゃうところには、少なからず驚きでしたが、昔のお話ってだいたいそんな感じですよね。でも、とっても師父思いで、忠義に厚く、知己に富んでいて、本当に魅力的です。

やっぱりいざというときに一番頼りになるし、何より彼は働き者。
「めんどくさい」なんて絶対に言わない。
自分の過ちを正すために、あちらこちら出来うる限りのところに頼み込みにいくところなんかとてもいい。

そりゃ、「そこまでせんでも、あんたがそこまでしなかったらこうはならんかったのに。」とは言いたくなりますけど、三蔵法師に嫌われないために必死で頑張る姿がなんともいじらしいのです。

いいかげんで調子のいい八戒とは大違い。

三蔵法師も西天に経を取りに行く、徳の高いお坊さんってな感じではありません。

どちらかというと、なさけなくて悟空に頼ってばかりなのに、悟空に対してはえらそうで、師匠のために悟空がした忠言も聞かずへまをやらかしては悟空に泣きつくような感じ。

これがまたいいのかもしれません。

様々な困難に対して、悟空たちだけで解決するというよりも、たいていはいろんな能力を持った人間や菩薩様や如来様、土地神様などに助けを乞うて解決するのが印象的でした。(助けを乞うというより、半ば脅しみたいなものも結構あったけど)

ジブリの宮崎駿監督もこれが一番いいって勧めてましたね。
私が読み聞かせの仲間に紹介した時も、2人のメンバーが「これ!子供の頃、すごい夢中になって読んだ!」って話してくれました。

読んでみて思ったのですけど、「西遊記ちゃんと読んだことないしな~。」って読み始めたんですが、なんというか結構色んなエピソードや言葉を知ってたな~と思って。

子供の頃、寝る前に父ちゃんが悟空の話をしてくれてたな~と思い出したのです。
我が家の子供向けに多少アレンジを加えたお話を。

ある人が、子供向けの番組で子供に空想のお話をさせるコーナーが大嫌い、非常に不愉快という投稿をされていたのを思い出します。「だって、うその話だもの。」というのです。「夢で見たんだよ。」とか子供はいうけど、明らかにあれは大人が言わせてる。夢とは言えやっぱりうその話、作り話だと。だから非常に不愉快で、チャンネルを変えてしまうのだそうです。

でも、その方は「私は冷たい母親なのでしょうか。」と同時に悩んでもいるのです。

そんなことはない、ただ今まで自分にそういう経験がないから受け入れられないだけなんだと思います。

子供の頃、仕事で忙しかった父ちゃんと一緒に何かをして遊ぶとか面倒見てもらうとかほとんどなかったけれど、夜寝る前のお話は私にはすごくよい刺激だったのだと思います。

今の仕事についているのも、多分それが影響しているんでしょうね。
父ちゃんさまさまですな。