ほわー。
きれいな夕日。
ゆっくりと夜が近づきます。
鎌が、砂の上をゆっくり回転。
じっと見てると、鎌っていうことを忘れてしまいそう。
こちら、越後妻有の最南端、数百メートル先はもう長野県という場所にある、津南町の「香港ハウス」
この中にある、マシュー・ツァンさんとコーデリア・タムさんの作品「同じで同じではない」
全景はこんな感じ。
ゆっくりうつろう野山の景色と、周りでゆっくり回転する農具。
周りの景色が美しすぎて、非現実的な魅力。
そのお隣、津南のアート中心地、上郷クローブ座。
岡淳さんの農具がお出迎え。
これが全部、自動で動く楽器だから驚き。
時間で演奏が始まりますが、これがなかなかの迫力ある演奏。
周りには、自由に使える楽器もあり、ここだけでも十分楽しめます。
こちらでは11月に地域の人たちと組んで、ライブを開くとのこと。
行きたいなあ。
外に出ると、雨模様。
んー、残念ですが、今まで晴天に恵まれていたんだから、このぐらいは我慢しよう。
ということで、ここから北上。
その途中、あの名作に寄ります。
クリスチャン・ボルタンスキーさんの❗️
「最後の教室」
干し草の匂いと、扇風機の唸り声。
目が暗闇に慣れてくると、周囲に散らばる光のノイズ。
ここは「考えるな、感じろ」なのです。
廊下の奥の光、そしてボルタンスキーさん自身の心臓音がどすん、どすんと鳴り響きます。
本能的に、踏み込んではいけない領域に自分がいるのではないかという不安がよぎります。
何回もここに来ているのに、毎回その不安に襲われます。
行ってはいけない、でも行ってみたい。
天井に等間隔に吊るされた、白熱電球を追って歩きます。
なんなんだこの気持ちは。
お化け屋敷とは全く異なる、別次元の怖さ。
上の階に上ると、透明な箱と光。
ここまで見てきたものも相まって、棺にしか見えない。
一旦外に出て、横の階段を上ると、覗き穴。
影絵がゆらゆら。
可愛いのですが、なんとなくあの不安な気持ちが込み上げてきます。
ボルタンスキーさんの作品をこれまでも観てきましたが、ぼくの思うに、死を日常の一部に考えている人なのだと思います。
作品の雰囲気は違うけど、なんとなく人生観が田名網敬一さんに似ているような気がします。
重いけど、麻薬的な作品を観終わり、さらに北上。
泊まれるアート施設、三省ハウスへ。
あれ、廊下に農舞台のゲロンパちゃんがいる。
本場は緑ですが、これは色白。
さらに進むと、レアンドロ・エルリッヒさんの、雪景色を覗くと自分がいっぱいいるお部屋へ。
2階には、変わった家具のある和室。
アイガルス・ビクシェさんの作品。
町の人の要望を聞いて、家具を作ってプレゼントしちゃうアート。
当たった人が、羨ましい。
ここの階段周りには、一面壁画が。
村山悟郎さんの「生成するドローイング 松之山野鳥ノ図」
鳥がモチーフの、増殖する壁画。
さて、雨も強くなってきました。
そろそろ埼玉に帰らないと。
まだまだ観てない作品がいっぱい。
また来なきゃ。