さて,該当の議員はどう動いたかというと,市長にLINEで釈明をしたそうだ。最初は前日に身内で体調を崩したものがいて,看病をして睡眠不足,という理由を告げていた。市長はお気の毒でしたという旨だけを返信した。


 するとその後何日かして当時の議長を通して診断書を提出して来たそうだ。個人同士で診断書をやり取りする場面は通常ない。議員としてこういう診断書を提出する場合は例えば休職や退職の手続きをするためにその理由として議長に提出するものだ。市長への提出は意味を持たない。

 そのような意味のない個人情報を本人が直接対面して渡したわけではないらしい(本来そういう個人情報は対面で手交するものだし,市長は対面で渡されたとしても受け取っていないだろう)。秘書課に提出したら秘書は職務上受け取らざるを得ない。ただ,市長からするとそんなものを提出されたところで意味がないので即座にシュレッダーにかけたという。これは正しい。個人情報を他人を介して手渡すなど無礼にも程がある。

 

 もう一つ,こういう世界でよくあるのが,「都合が悪くなると診断書を出して病休」という行動。後のことは残されたものたちに押し付けてほとぼりを覚ます,というもの。医師の診断書も本人が不定愁訴を訴えれば適当な病名をつけて出される。そうなると医学的な後ろ盾が建てられるためなんでもOKになってしまう。


 事実当の議員はその後も議員活動を続けて,一般質問で市長とやり合う場面がYouTubeで記録されていた。本来なら休職に相当する病名だがそのような形跡はない。そして今年になって亡くなったらしい。するとXなどで「反市長派の論客」から「市長に殺された」という投稿がされた。死因との因果関係など全く不明なのに,「脳梗塞の病人を責め立てた」と声高に言い出し,それをどこかの議員が応援さながらに投稿まで行う。この件を来る市長選で利用しようとしていたらしい。市長のYouTube利用を非難しておきながら自分たちは仲間の死を政治利用しているのだから呆れるばかりである。まあ,それによって身内が盛り上がって弔い合戦成功という事例があるのも事実だが。こういうのも石丸氏が市長選に立候補しない理由にあるのかもしれない。刷新ネットワークこそ「利用できるものは何でも利用して」いるのである。

 その後「恫喝」の文句「市議に刃向かうと政策が通らなくなる」はまさにその通りになり,市民にとっても市政の停滞となった。もう一つ,これも山根市議の件の会議中の発言であるが「私は市長選で市長を応援してました」。こうやって恩着せがましく発言して相手を懐柔するのがこの街の流儀なのだ。


 市長選で石丸氏は市議たちの支援を仰がなかった。後のエピソードで熊高議員が,石丸氏が自分に挨拶に来て,自分は対抗馬を支援するので,代わりに,と言って当時地域おこし協力隊で働いていた現市議を紹介した、という話をしていたが,石丸氏は今の都知事選と同じスタンスで選挙運動を行なっていた。それで当選後もしがらみなくその後の市政運営を行ったのである。そしてこのくだりも逐一当時はTwitterだったXに投稿していった。


 何をやっても懐柔されない市長に対して実力者は攻撃して潰すという行動に出た。市政刷新ネットワークの誕生である。