あんまりネガティヴなこと書くのもなんだなーって思いながら、
過去っていうか昔のことならまあギリギリOKか、

なんて自分なりに納得させながらブログを書いてみる。




2010年11月-


僕は暗闇の中にいた。

いつからいたのかわからない。
ていうかそこが暗闇だってわかるのにも少し時間がかかった。
気付いたらもう、その時の僕の視界は真っ暗だった。
たとえ昼間でもだ。



人生の暗闇の中に入るのはまあまあ簡単だ。

人間関係が破綻さえすればいい。
ぐちゃぐちゃになりさえすればいい。


だけどそうならないよう気をつけながら生きていても、
気付いた時にはそうなっていることだってある。
決して望まなくとも。
頑張って生きていても。

人と人との間に潜む悪魔って、なんだろう。
なんなんだろう。




当時、僕は熊本でのライブを終え、遠征先から帰る車の後部座席で、夢を見た。

ウトウトと。
不思議な夢だった。



1人しか乗れないとても小さなヘリコプター(実際にそんなヘリコプターあるのかな)。

夢の中で僕は、それに乗っていた。
1人で。
音のしないヘリコプターだった。


山が連なる上空を飛んでいた。
天気はよく思い出せない。
とても静かだった。


しばらく飛んでいると、操縦系の不具合なのか天候の影響なのか、
僕の乗っているそれが傾きだした。
いきなりだ。


ほどなくして、機体は完全に自由を失った。
飛ぶ力を失った。


機体は真っ逆様に降下してゆく。

凄まじい勢いで落下するというよりは、
力なく重力に負けてゆくような感じだった。


それがとても心地よかった。
気持ちよかった。
解放される気分だった。


機体が山の岩肌に激突する瞬間、
僕は目が覚めた。
夢から覚めたんだ。




それからまたその夢が見たくて、
何度も眠るときに願った。

起きている時の暗闇よりも、落下する非現実のほうが、よっぽど心地よかった。


そして出来ればそのまま夢から覚めたくなかった。
出来れば機体と共に、地面に叩きつけられたかった。




なんだったんだろう。
なんだったんだろうと思う。

あれからもう、あの夢はもう見ていない。
見たいとも思わない。
今となっては。


でもその時の夢は僕の中にある、僕の一部なんだろうとも、同時に思う。


今の僕は暗闇の中にはいない。
ありがたいことだと思う。

そしてそれが当たり前だなんて、思わない。



けれどその暗闇は僕の視界を奪おうと、虎視眈々とその隙を狙っている。
今でもだ。
きっとそれは、一生つきまとうことなんだろう。


強くならくては。
と、思う。
今よりもっともっと。

いつその暗闇が現れようと、振り払える自分でいれるように。
道を踏み外さないように。



誰にも悲しい思いをさせぬように。





今日は、夕暮れが綺麗だった。




裕地