小豆はかり | 湯舟沢 鰐魂狗の幻夢草子

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小豆はかり(あずきはかり)

江戸時代の怪談集『怪談老の杖』にある日本の妖怪。姿は現さずに人家で小豆の音を立てる妖怪とされ、音のみの妖怪であることから、ポルターガイスト現象に類するものとの説もある。

『怪談老の杖』では、以下のように語られている。

その昔ある男が、麻布に住む友人の家に妖怪が出没するという話を聞いた。男は「ぜひ見たい」と言い、友人の家に泊まらせてもらった。

前述の特徴の通り部屋を静かにしていると、天井裏を踏み歩くような大きな音がし、続いてあの小豆をまくような音が聞こえてきた。音は次第に大きくなり、挙句にはその音は、一斗(約18リットル)の小豆をまくかのような大きさになった。

やがて、天井裏ではなく家の外の庭から、下駄を鳴らす音や、水をまくような音がしてきた。男はすかさず障子を開けたが、庭には誰の姿もなかったという。

この妖怪は天井から土や紙くずを落とすこともあるものの、特に悪事は働かないものなのだという。