モリコーネの音楽は
もう死ぬほど聴いてはいるけど
まだ聴いてはいない
そんなメロディーがあるかもしれないと
映画館へと足をはこんだ。




どうやったら
あんな美しいメロディーが生まれるのか
そこへの興味もあった。




サブタイトルに
映画が恋した音楽家とあるが
きっと彼は
いつも何かに恋をしていたんだと思う。





恋のエネルギーでなければ
あれほど美しいメロディーは
生み出せない。



彼は
生きているすべての瞬間
音楽のことを考えていた。



毎日の積み重ねが
いつでも
瞬間的にメロディーを生み出せる
そんな状態に彼はあった…
というか
そうしていた。



まさにその姿は
情熱をまとい 
胸に恋をやどし
常に戦闘態勢にいたようにみえた。




しあわせな生き方の
手本のようだった。



最高に美しいメロディーを
さらに超えてゆく
そのよろこびは彼にしかわからないだろう。



しかし
賞には恵まれなかった。



おそらく
ワンスアポンアタイムインアメリカで
アカデミー賞を穫れなかったショックは
相当なものだっただろう。



映画史上
もっとも美しい音楽が
アカデミー賞を獲らなかったのだから。



それは
アカデミー賞最大の
汚点だと思う。




しかし
歴史は証明するにちがいない。



近代音楽で
もっとも偉大な音楽家は
エンニオ・モリコーネだと。