「イハラ リョウタさんです。」


ドキッとした。「なぜ?」「何故知ってる?」


人事部長が新入生のレクチャーの前に、私の事を知っている人がいるか尋ねたのだ。


バカげた質問だ。会ったことも無い新入生なのに、わかるはずがない。




と思っていたが、大勢いる新入生の中で、Yumiが突然発言した。


フルネームで私の名前を知っているとは。。。


直属の部下だって答えられる者はそういない筈だ。





「イハラ リョウタさんです。」「マーケティング部のイハラ部長です。」


Yumiとの出会いはこんなサプライズから始まった。


私はRyota。もう50歳を目前にしたオヤジだ。


仕事も順調で、昨年念願の独立も果たした。


そんな自分であるが、思いもよらぬ恋をした。


もう、そんなことから遠ざかって久しいというのに。。。。




Yumiと会ったのは、おととしの春。


そう、2年も前なんだな。長いような短いような。。。




彼女とは新入社員とその教育係という関係だ。


大勢いる新入社員の中の一人であり、はじめは名前も顔も一致せず、


もちろんその時点ではまったくその気も無かった。


ただ何故か、大勢いる新入社員の中でYumiのことを「この子かわいいなぁ」とおぼろに思っていた。




初日の初対面で、もっと驚く事があった。


営業教育の初日。


新入社員全員の前のできごとだ。






Yumiからメールがきた。


なんて事の無いメールだ。


クイラアントに参考になる記事だった。


そうだ、Yumiは1年間マーケティング部で研修中だったはずだ。


そこでこんな記事を見つけたんだな。




でも嬉しかった。


もう区切りをつける決心をしていたのに、自分から連絡を取らないつもりだったのに。。。


忘れるつもりだったけど、そう思えば思うほど、余計に思い出してしまう。


また、気持ちが揺らいでいる。


本当に意志が弱い。