齊藤夢愛オフィシャルブログ Powered by Ameba -2ページ目

キス魔マン(3)

「キスとお尻ぺんぺん、どっちが良い?」



体を私にぴったりとくっつけ、

耳元で囁く、男。




そう。




キス魔マンだ。





出たぁーーーーーっっΣ(ОД○)!!!!



驚きと恐怖で、叫び声にならない声をあげ、


反射的に走り出す私。





男の顔を初めて見た。

すごく近くで見た。





男の髪の毛は長く黒く、


中肉中背。そして何故か上半身裸だった。




顔は悪いわけでもなく良いわけでもなく、

普通。




でも何故か、気持ち悪い、という気持ちにはならなかった。





姉からキスの情報を聞いていたからか?





そんな事を考えながらも、足はどんどん前へ動いていった。





夢の中の私はとにかく足がはやく運動神経が良かった。




自分でも驚くくらいの速さで走り、

飛び、デパート中を駆け回った。




障害物も乗り越え、パルクールの選手のように、スライディングやジャンプを駆使して逃げ回る。




デパートにいたアンパンマンや、バイキンマン、キティちゃんも私のことを見て





「足早い






と噂しているのを横目にしながら、


逃げ回った。

(何故か登場人物にアニメキャラクターが出てきた。私の頭の中どーなってんだ)


しかし、




必死に逃げている中、





脳裏には、よからぬ事が浮かび始めた。






「捕まったら、キスされちゃうんだ……






「どんなキスなんだろう……。」





ハッッ(*°°*)!なに考えてるんだ、

ダメダメ。逃げることだけを考えなきゃ。」






「でもでも、きっと逃げられないって、お姉ちゃん、言ってたし………





頭によぎるよからぬ思いに邪魔されそうになった私は、





咄嗟に、目に入ったマットレスの裏に隠れた。





大丈夫ここなら見つからない。




もう少ししたら旦那タソが温泉から帰って来る。




そしたら助かる。





逃げ切るんだ。逃げ切る。





〜続く〜