ベストテン再開します。今回は小説編。たくさん紹介したいので男女別に分けてみました。
まずは男性作家。
①宿屋めぐり(町田康)
②ディスコ探偵水曜日(舞城王太郎)
③走ル(羽田圭介)
④ぼくは落ち着きがない(長嶋有)
⑤僕の好きな人が、よく眠れますように(中村航)
⑥神様のいない日本シリーズ(田中慎弥)
⑦けちゃっぷ(喜多ふあり)
⑧元職員(吉田修一)
⑨パワー系181(墨谷渉)
⑩小銭をかぞえる(西村賢太)
1、2位は読み応えのある大作を選びました。休みの日とかに腰を据えてじっくり読んで欲しい作品です。3位と6位と10位は芥川賞候補作品。どれも面白かったんですが、相手が悪かったですね。特に「走ル」はぜひ獲って欲しかったんですが。
長嶋有、中村航、吉田修一はさすがの安定感。安心して読めます。
大穴だったのは昨年の文藝賞受賞した喜多ふありの「けちゃっぷ」。高橋源一郎も絶賛してましたが、これ面白かったな。正にアイディアの勝利。
そして墨谷渉の「パワー系181」は一昨年のすばる文学賞受賞作。彼は今回の芥川賞候補にもなったし、これからが楽しみな作家です。
次は女性作家編。

①ワンちゃん(楊逸)
②乳と卵(川上未映子)
③ミュージック・ブレス・ユー!!(津村記久子)
④ギンイロノウタ(村田沙耶香)
⑤体育座りで、空を見上げて(椰月美智子)
⑥やさしいため息(青山七恵)
⑦ばかもの(絲山秋子)
⑧花束(木村紅美)
⑨主題歌(柴崎友香)
⑩まよいもん(松井雪子)
奇しくも上位3名はここ3回の芥川賞受賞作家の作品。1位にした楊逸は受賞した「時が滲む朝」よりもこちらの方が好き。男女合わせての今年No.1です。
2位の「乳と卵」はその発想がスゴク面白い。次回作が早く読みたいですね。3位の「ミュージック・ブレス・ユー!!」は津村記久子(祝・芥川賞受賞!!)の野間文芸新人賞受賞作。今イチバン旬の作家の傑作です。
4位の「ギンイロノウタ」はこのブログでも紹介しましたが、昨年最も衝撃を受けた作品。そして5位の「体育座りで、空を見上げて」は何も起こらないのになぜかドラマチックという不思議な作品。
青山七恵と絲山秋子の芥川賞作家2人は今何を書いても面白い。反対に何度も候補に名を連ねながら受賞を逃している柴崎友香と松井雪子はどうもタイミングを逃したっぽい。面白いんだけどなぁ。
木村紅美は個人的にイチ押しの作家の1人。ただデビュー作「風化する女」を超える作品がまだ出てきてないのが残念。
合わせて20冊しか紹介出来ないんで、漏れた作品もたくさんある。それに買ったまま読んでない作品も結構あるので、なるべく時間作って早く読まなくては。
次回がこの企画ラスト。小説以外の出版物をまとめて紹介します。