ズシュ
「…………っ?」
痛みが…ない?
そんなはずはない。音だって聞こえたしお腹に温かい血が流れる。
………血?
ゆっくり目をあける。
「………………………
ひかり?」
そうだ。私の上に覆い被さっているのはひかりだった。
この温かい血もひかりのもの。
「…あ…あか…り。
だ‥から…あ…ぶない…っていったのに…っ」
もぉ少し話し聞いてよ、と苦笑いしていうひかり。
「…っなんで」
「なんでって…当たり…前…じゃん。私赤莉の…友達……でしょ?」
お腹の痛みに耐えながら話す。
ズッと音がした瞬間、ひかりが小さい悲鳴を上げて私の方に倒れこんだ。
剣を抜かれたのだろう。
ひかりを庇うように抱き狼の方をみた。
「あーあ、萎えた。
君も運だょねぇ。この子のおかげで命拾いしたんだから。
今日は見逃してあげる。
今度はもっと楽しく遊ぼーよ。邪魔が入んないように、ね?」
「…っ」
「……じゃあね?赤莉…ちゃん?」
手をヒラヒラとふってそのまま去ってしまった。
追いかけたいのは山々だが今回ばかりは見逃してもらってよかった気がする。
「…ねぇ…あか「喋んないで。キツいでしょう?
今、魔女を呼んでくるから。」
ゆっくりとひかりを寝かせ、呼びにいこうと立った瞬間、ギュッと震える手で赤莉をとめた。
「……赤莉。ここに…いて?
もぅどの道…助か…らない。
今…赤莉と話せ…てるのも…奇跡に近…いぐらいだし。」
「なに言ってるの。
まだひかりは生きるのよ。湖、見せてくれるんでしょう?」
腕を握っていた手をとり両手で包み込む。
生きてと祈るように。
「そぉだったねぇ。
…ごめんねぇ?
約束…守れないや。
行きたかったなぁ…赤莉と湖。
まだ、いっ…ぱい、赤莉のこと、知りたかったのに…
ごめんね」
「何で謝んのよ。
許さないわよ。死んだら絶対許してやんないんだから。
だから生きなさい。生きて約束を果たして?」
「ははっ……あかり。ごめんね。
あなたに出会え…てよかった。
ありがとう。
赤莉…私の分まで生きて。」
「………ひかりっ」
一筋の涙がこぼれた瞬間と意識がなくなり静かに目をとじた。
もうこの目は開かない。
そう分かっているのに願ってしまう。
もぉ一度微笑みかけて、と。
そして思う。
………憎い。
私のすべてを持っていく狼が。
復讐が更に復讐を呼ぶ。
開きかけた心が完全に塞がった。
もぅ、本当に戻れない。
It stood in the interstice whether died or lived.