②久大本線4日間の旅(2日目 久留米ー田主丸ー筑後吉井ー日田)

 

久大本線に乗って旅して来ました。

2日目は始発駅久留米を出発して、河童伝説の田主丸駅と、豊後街道の宿場町の面影が残る筑後吉井駅で途中下車して、天領日田まで移動しました

 

久留米はブリヂストンの発祥の地です。

駅前には巨大なタイヤの展示品がありました。

ブリヂストンは乗用車用や航空機用など多種のタイヤを生産していますが、中でも建設・鉱山車両用のタイヤは過酷な環境での使用に耐える高い品質が求められ、製造できるメーカーは数少ないそうです。

また、会社の創設時は足袋の専業生産をしており、底にゴムを張った地下足袋を開発し、それが三池炭鉱でヒット商品になりました。

炭鉱で使ったので地下の足袋なのだそうです。

その後ゴム靴の生産を経て、自動車用タイヤの開発に乗り出します。

 

それでは、久大本線の旅のスタートです。

 

久留米の街中を離れ、風景が変わりました。

やっぱり非電化路線のディーゼルが好きです。

 

山々が近づいてきます。

 

田主丸駅に到着

 

田主丸には河童伝説が残っています。

中央アジアから移住してきた河童の九千坊一行は、最初、熊本の球磨川へ行きますが、そこではイタズラが過ぎて地元といざこざになり、筑後川に移ります。そこで安徳天皇ゆかりの久留米水天宮の御獲り役になりました。そして、餌が豊富で人情の豊かな、田主丸の筑後川支流巨瀬川の蛇淵を本拠と定めて安住したのだとさ。(駅の案内板から抜粋しました。)

 

駅舎にも河童愛を感じます。

 地元の高校生のデザインだそうです。


 

駅には綺麗なCAFEが併設されています。

 

2階のフロアーもいい雰囲気です。

 

コーヒーは、ペーパーフィルターで1杯づつ丁寧に入れられていました。

 

カウンターの下に何気なく立て掛けてあった駅名標

 

コーヒーもおいしそうでしたが、私たちは巨峰ソフトを頂きました。

 

上りホームに特急ゆふ2号が入線してきました。

 私たちは、この後の普通列車で筑後吉井駅に移動します。


吉井は精蝋、酒造、菜種の精油など農産物の加工品を製造、販売することで莫大な富を得ました。

また、有馬藩の城下町久留米と天領日田を結ぶ豊後街道の宿場街として大いににぎわったそうです。

 

 

吉井も山笠の季節です。

高橋神社の4番山笠

 

昭和レトロなスナック

 

趣のある書店です。

 

何処か懐かしく感じるなぁ。

子供の頃の町の本屋はこんな感じだったなぁ。

こんな本屋で立ち読みしていたなぁ。

 

白壁通りを散策

 

 

面白そうな雑貨屋を見つけました。

 

入ってみます。

 

 店主こだわりの商品が並んでます。


錫製の箸置きと竹炭のお香を買いました。

 

 

 

和菓子屋さんで休憩します。

 

 

 

 

 

「冷やしみたらしだんご」と「蕎麦まんじゅう」を頂きました。

美味しかったです。

 

陶芸家さんのギャラリーを覗いてみます。

 

コーヒーカップを買いました。

「粉引き」、好きなんです。

 

オーナーの陶芸家さんに誘われて、中国茶を振る舞って頂きました。

 

中国茶用の茶器を使って入れるのは、初めて見ました。

同じ茶葉で3回出してもらいました。

毎回風味が変わり、とても美味しかったです。

 優しい味のお茶でした。


茶葉は宮崎の五ヶ瀬産「みなみさやか」という、手摘みの烏龍茶でした。

 

居倉造りの館

居間を備えた蔵という意味なのだそうです。

精蝋業で財を成した大地主の分家が明治末期に建てた屋敷で、銀行経営に携わっていたそうです。

 

 

入ってすぐの土間は奥の土蔵までの荷車の通り道。

ケヤキの2本の大黒柱が立ってます。

 

帳場には圧倒される巨大な神棚

神棚があるのでこの部分は2階がなく吹抜けになってます。

 

 

梁は重厚なマツ材

箱階段が有ります。

 

見事な中庭の庭園

 

実はこの家を建設した当主は婿養子で、2階はその奥さんの部屋なのだそうです。

 

奥さんの部屋へ上がる階段の手摺りには銀行のマーク

 

部屋の外窓からは倉の入口が見えます。

 

内窓からは帳場が見渡せます。

 

仕事中、2階のあそこから奥さんに見られていたら、緊張するでしょうね。

 

次に鏡田屋敷を見学

 

こちらの建物は浮羽郡の官舎で武家作り。

先ほどの豪商の居倉作りとは趣が違い、質素な作りです。

居間は奥から身分により上段、中段、下段と床の高さが違います。

 

天井は高いのですが、鴨居は刀を振り回せないようにわざと低く作ってあるそうです。

 

 

鏡田屋敷の名称の由来は、2階のこの宴会場から見える田んぼに映る月なのだそうです。

残念ながら、今では住居が立ち並び田んぼはほとんど残っていません。

当初は、一面の田んぼの水鏡に月が映っていたのでしょう。

 

 

 

 

日田街道
国鉄久大本線が開通するまでは、この道を軽便鉄道が久留米から日田まで走っていました。
 当時の吉井の繁栄と、天領日田の重要性が伺えます。

日田に向けて移動します。

 

 

 

夜明駅

列車交換の合間に撮影しました。


夜明駅の跨線橋から撮影しました。

霧の深さが、山の深さを物語っています。

日田まであと2駅、もう少しです。

 

日田駅に到着しました。

 

 

水戸岡鋭治氏デザインの駅舎

 

 

 

観光案内所も趣が有ります。

 

 

今日の宿です。

日田金を運用していた、掛屋 5人衆の末裔が建築した築165年の建物だそうです。

現在の店主が買い取って民宿をされています。

 

 

夕食です。美味しかったです。

 

お酒は地の酒「角の井」を頂きます。

 

 夕食の締めは手作りそばです。

美味しかった。

8月になると、天然の鮎料理も振舞われるそうです。

そばの左は、どぶろくを頂きました。

 

夕食後の散策。

今日は三隈川の水門が開いているので屋形船は出ていませんが、風もなく水面は穏やかです。

水門の照明が水面に映って幻想的でした。


飲み屋街も賑わっています。

 

隈町の八坂神社

 

 

神社の正面に、大和町の山鉾があります。


覆ってあるシートの中を覗かせて貰うと、山鉾は仕上がっています。

日田祇園祭は今晩深夜に御輿洗い神事が行われます。

夜中に出直して来ます。

 

一旦宿に帰って来ました。

 

(次回 2日目【番外編】(日田祇園祭御輿洗い神事)に続く)