COME FROM AWAY | 秒速5センチメートルのblog

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秒速5センチメートル それは桜の花びらの舞い落ちる速度 そんな風にひらりひらり優しく揺れながら書いていたいかな。

カム・フロム・アウェイ 観てきました。

 

 

これだけよくキャストさんそろえる事ができたな~と

かなりびっくりです。

安蘭けいさん 石川禅さん、涌井健司さん、加藤和樹さん

咲妃みゆさん、シルビアクラブさん、田代万里生さん

橋本さとしさん、濱田めぐみさん、森公美子さん、

柚希礼音さん、吉原光男さんですよ。

全員メイン張るキャストさんの方々ですから各々

体調管理はしっかりとされていらっしゃる。

それでも実力のあるスタンバイキャストさんも待機させて

満を持して望んでいらっしゃる作品。勿体ないくらいです。

 

100分間ノンストップでセリフが行き交う。一人がテンポを

崩せば総崩れになりかねないくらいのアップテンポです。

全て見逃せない! なんだか力が入りそうなのに

このベテランの方々が演じるととてもラフにものの見事に

場面場面が自然に流れていくのです。回り舞台と同時に

それぞれの役が変わります。12名が入れ代わり立ち代わり

一人何役も熟して下さいます。

僅かな着替え(帽子をかぶるとか上着を脱ぐとか)そんな程度で

色々な役になります。セットを変更しながら(セットといっても

椅子を動かす程度)スムーズに変わるので会話が途切れる事もなく、

物語は続きます。

 

 

お話は2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロに

なります。その時、急遽アメリカ領空が全て閉鎖されました。

その時に離発着出来なくなった飛行機は38機ありました。

38機は次々とカナダにある島に着陸し閉鎖が解除になるまでの

5日間をその町で過ごす事となったのです。

多種多様の民族、言語も伝わらない人々がそこに住む住民達との

交流を得ながらいつしか互いを助け合い思いあうように

なりながら悲しみや絶望そして希望を胸に生きる日々が

描かれています。

但し、これはフィクションではありません。事実を元に

実在の方々にインタビューを重ねながら作り上げた物語

なのです。

 

私の知り合いのご主人はこの日あのツインタワーで仕事を

していました。一旦逃げようとしたところ、こちらのビルは

大丈夫であると放送があり戻った会社の方々もいらっしゃった

そうです。知り合いのご主人は何か思う所があったのか

そのまま階段を降り続けたそうです。その為助かる事が

できました。あの時もし戻っていたら・・・言葉を失います。

 

私はその時の映像ははっきりと覚えていますが、

空港が閉鎖された事まで気に留めていませんでした。

なのでこんな事実があった事は知らずにいました。

普段飛行機に乗ったとしても隣の人とその後一緒に過ごす事に

なるなんて考えもしないですよね。

あの時こういった状況にいた方々が実在するのだと色々な事を

考え思いながらの観劇でした。

 

ある人はテロを起こしたであろう民族系であり全くテロには

関係ないにしても必要以上の尋問を受けたりします。

酷いと思いつつも、全ての人達が次の犠牲を出さない為に

初めての行動を自ら考えなくてはならない状況にあるのですから

自爆装置でも持ちここに居るかもしれないといった疑心暗鬼は

あるわけで致し方ない・・と思うしかないのかも知れません。

 

一方では動物愛護のメンバーが機内に取り残されている動物を

助けようと必死に動いています。

先日、日本であった飛行機の衝突事故に於いて荷物扱いである

動物を助けてあげられなかった事が頭を過ります。

 

ある人の息子さんがニューヨークで消防士の仕事をしている事も

多くを語らずして誰もが胸に詰まる思いを沸かせます。

 

(余談)

私的にちょっとびっくりしたのはもりくみさんと咲妃さんが

いきなりお胸(ブラはしてますよ)の谷間を見せるショット。

一瞬、え?ってなりました。私は何を見せられているのだ?

みたいな(;^_^A

 

Wケビン(涌井健司さん&田代万里生さん)のカップルは

きっぱくする空気を和ませるポイントの位置におり

LGBTQにも触れています。涌井ケビンと卑猥な秘書万里生

ケビンはとても愛らしいCPでした。

 

エンディングの方で後日談が語られます。ほっこりしたり

ぐっときたり・・・またそこで心を動かされます。

 

飛行機に乗り合わせていた乗客、空港会社、報道、そして

乗客を迎え入れる町民たち、全部で100以上の役がある

のですがこれらをアンサンブル無しの12人で演じて居ます。

スタンバイキャストさんに至ってはたった4名でそれぞれの

担当を持ちセリフや動きを全部一緒に覚えていらっしゃる

のです。それだけで本当に涙が出そうになってしまう。

事実に基づいた物語ではありますが、決して架空の事では

ありません、誰もが予期せず起こった出来事。

私がもしこの場の誰かになっていたら・・・私はどう動けるの

だろう・・・考えるのではなく動けるのか?自分自身につい

問いてしまいました。決して大きな感動があったり、感激したり

号泣したりするものではないけれど、だからこそそれが現実で身近で

あるのだと思います。 一度は是非ご覧になって頂きたいと

思う作品でした。

 

 

これだけの歌えるメンバーさんがいながらソロはほぼ

ありません、濱田めぐみさんがかっこよく歌い切って

下さった記憶しか残ってないのですが、逆にこのメンバーさん

でのコーラスはきっと二度と聞けないのではないかと

ある意味感動でした。こんなに豪華キャストさんばかりなのに

個性が削られる事もなく押しつぶす事もなくそれぞれの

キャストさんを堪能できる。

 

禅さんのぽんと出てくる艶と張りのある声や

低音でしっかりと重みを乗せた光男さんの声

滑らかにスタイリッシュに交わる橋本さんの声

そこに硬めでまっすぐに入っていくる和樹さんの声

また柔らかく優しく隙間を縫うように絡まる浦井さんの声

穏やかだけれどしっかりと芯をもつ万里生さんの声

そして安定した女性陣の素晴らしい個性ある歌声が乗ります。

それらが一体となって心に入ってくるのですから

私にとっては至福の時間でした。

今まではソロパートが少ないとか、もっと分配したソロに

して欲しかった・・・などと言っていた私が(;^_^A

大満足してしまった・・・

 

そういえば・・・多分ソロパートが少なく、常に物語が

場面場面で続きながら変わっていくので拍手を送るタイミングが

ほぼなかった気がします。確か・・・カテコも1回のみ。

 

観劇する際はどうしても

推しを中心に見てしまいがちなのですが今回こんなにも

忙しく目まぐるしく沢山のキャストさんを追った事がなく

違った意味で疲れました(;^_^A