昨年、初号機の打ち上げが失敗してその成否が注目されていた日本(JAXA:宇宙航空研究開発機構)の新しい打ち上げロケットH3(H2Aの後継機)2号機が2月17日に種子島宇宙センターから打ち上げられ、今回は見事に成功、超小型衛星2基が予定の軌道に投入されました。私も、今度こそは!と祈るような気持ちでしたが、本当によかったと思います。

今後、H3ロケットは、H2Aの打ち上げ費(約100億円)からの費用半減を目指すとのことで、アメリカで主流の、あのイーロンマスク率いるスペースX社の「ファルコン9」の打ち上げ費用(約70億円)との価格競争にも挑むそうですが、さらには、今、国際競争が激化している月や火星などの宇宙探査に日本としても参入するための基本的な資格を得たということも大きいですね。

JAXAは、今年1月、小型月着陸実証機(SLIM:Smart Lander for Investigating Moon)の月面ピンポイント着陸にも成功しました。ただ、SLIMの着陸姿勢が悪く、当初、太陽光発電がうまくいかない状態ではらはらしましたが、その後、太陽の角度が変わった状況で一時的に発電がされ、相棒の超小型・変形型月面ロボット(Lunar Excursion Vehicle 2: LEV-2、愛称「SORA-Q」)が月面で撮影したSLIMの映像が(SLIM経由で)地球に送られてきて私達に大きな感動を与えてくれました。

 

JAXAプレスリリース:変形型月面ロボットによる 小型月着陸実証機(SLIM)の撮影およびデータ送信に成功

 

 

このSORA-Qは、おもちゃメーカーのタカラトミー他との4社共同開発で実現したもので、月面でトランスフォーマーのように展開され、自在に動き回って写真を撮る機能がうまく発揮されてSLIMの見事な映像が地球に送られてきたことは、本当に画期的なことでした。

 

 



月面着陸に成功したのは、旧ソ連、アメリカ、中国、インドに次いで日本が5番目ということですが、いよいよ本格化する月面資源探査や火星への人類移住計画の足がかりが日本としてもできたと考えられ、今後の展開に大いに期待したいと思います。

このような宇宙関係の明るい話題の中で、4回の打ち上げ延期を経て今年3月9日に予定されている串本の民間小型ロケット発射場からの初号機打ち上げ成功への期待がさらに高まっています。それを見学しようという人々による周辺宿泊施設の予約もほぼ満員となっているとのことで、待ちに待った和歌山県紀南地方活性化のための中核事業がいよいよ動き出すことを願ってやみません。