先日の松山選手のマスターズゴルフ優勝の際、キャディを務めた日本の早藤将太さんが松山選手ホールアウト後の最終18番ホールのピンを戻してゴルフコースに一礼した様子が米国のスポーツチャンネルで紹介され、それがTwitterで世界に拡散されて、大きな反響を呼んでいるそうです。


松山支えた早藤キャディーの“美しき一礼”が180万再生 米感動拡大「偉大な文化だ」

 


このニュースは、礼節を重んじる日本人の自然な振る舞いとして、松山選手の優勝とともに大きな感動を呼び、コロナ禍の影響で米国内に拡がっているアジア人差別の風潮に歯止めをかける効果も期待されています。

長く続くコロナ禍のために、米国だけでなく世界中で社会が何となくギスギスしていて、人間同士の不協和音や対立が増え人種や民族も含めていろいろな分断がどんどん大きくなっているようにも感じます。また私たちの身近なところでも、在宅勤務などで家族同士が一緒にいる時間が増え、知らず知らずのうちにストレスも溜まって、思わぬトラブルも増えているようです。

このような状況の中、様々な人間関係の対立を調和に変えて、充実した人生を送るための考え方や手法を示した「調和の処方箋」という本が最近出版されました。(少し宣伝になってしまいますが・・)

本書では、サンフランシスコ在住の日系二世Sho Aoyagi氏(日本名:青柳庄一氏)が米国で出版した「Conflict Prevention and Resolution(CPR)for Relationships」という本の和訳をベースに、日本の大きな課題の一つである介護と、それに関わる家族関係の円滑化などを主テーマに、人の対立や心の葛藤 (conflict) を和らげて調和のとれた人生を送るためのコミュニケーション手法がわかりやすく解説されています。本書の出版にあたっては私自身が企画を行い、原書の翻訳を含めて、看護学や介護のことに詳しい先生方にも多大な協力を頂きました。

著者のSho氏 (1960 - ) は、田辺市湊出身の安田庄太郎氏 (1900 -1972;私の父方の祖父の弟で、サンフランシスコの有名日本食店「東京すきやき」の創業者)の一人息子ですが、幼少時代の自分自身の辛い体験をベースに、人間関係の調和を図るための基本的な考え方や手法が本書に示されています。参考までに、看護学のエキスパートAnn J. Davis博士(2010年に「旭日中綬章」受賞)による本書の推薦の言葉を引用させて頂きます。

~~(本書推薦文より引用)~~
調和(harmony)は、日本ではもっとも重要な価値とされています。しかし、調和のとれた人間関係を築きそれを維持していくのは、時として大変難しいものです。調和は、人がほかの人との対立(conflict)の底に潜む感情をうまくコントロールできないときに損なわれますが、本書はそのようなときに大いに役立つはずです。人がお互いに理解し合い調和していくために、本書に示されている考え方を活用することができるでしょう。より一層調和のとれた人生のために、すべての方に本書をおすすめします。

~~(引用ここまで)~~

 

ギスギスしている社会の雰囲気が少しでも良くなるため、本書がお役に立てれば幸いです。

 

調和の処方箋-みらいパブリッシング