他人と深く関わらずに生きる | あなたの人生をトータルで応援します

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 1976年(昭和51年)に堺屋太一氏が発表した小説「団塊の世代」から名付けられた団塊の世代が数年後から定年を迎える。
 1947~49年(昭和22年~24年)第一次ベビーブームに生まれたのは人口約1000万人。前後の世代より200万人上回りグラフにすると、その部分だけが蛇が卵を飲み込んだように膨れているところから命名されたそうである。(現代用語の基礎知識)

 戦後生まれで、復興第2期の強力な援軍として尽力した世代。復興第1期が遺したバブルを必死で乗り越え、中高大と受験戦争、就職戦線と激しい競争社会を乗り越えてきたしたたかな世代。仕事一途で過ごしてきた人がほとんどだろう。

 定年後の計画についてのアンケート調査では、
①70%の方の生きがいは「仕事」
②自由になるカネがほしい(仕事がしたい)
③健康にいいから働きたい
とほとんどの人が仕事がしたい意向が強いようです。

 働く以外の生きがいは何だろうか?仕事以外に好きなことをしたいというプランはないのだろうか?働きに働いてきた世代だけに預金も残されているだろうに…。

 「他人と深く関わらずに生きるには」(池田清彦著・新潮社)1947年、団塊の生まれ。山梨大学教授、構造主義科学論、そこから導かれる多元主義者。頭脳の柔軟な理系学者。
 
 目次では、「濃厚な付き合いはなるべくしない」「車も来ないのに赤信号で待っている人はバカである」「病院にはなるべく行かない」「心を込めないで働く」「ボランティアはしないほうがカッコいい」「他人を当てにしないで生きる」「おせっかいはなるべく焼かない」「退屈こそ人生最大の楽しみである」
 逆説の説得法なのだろうか?「自力で生きて野たれ死のう」と結んである。

 他人と深く関わらずに生きるということは、自分勝手に生きるということではない。自分も自由に生きる代わりに、他者の自由な生き方を最大限に認めることが大事と説いている。ぜひ読んでみたい。世の男性に読んでもらいたい。
 他人や、他者を妻と置き換えてもいいかと思う。もちろん、女性のほうも他者を夫と置き換えて読んだらいいだろう。
いい関係の作り方がそこにあるかもしれない。

 定年を迎える団塊の世代。仕事から離れて、他人を当てにしない自分らしい新たな生きがいや目標を見つけ、それが社会に貢献・新たな活力を与えるものであればもっといいのですけれど・・・。