★司法修習を終えて今年新たに裁判官として採用された新任判事補75人の辞令交付式が2月16日,最高裁判所で行われました。その際、戸倉三郎最高裁判所長官は「司法への信頼は一朝一夕に得られるものではない。自分の仕事が法の支配を支えることを忘れないでほしい。」と新任判事補を激励したとのことです。そして,戸倉長官は一人一人に辞令を渡した後に挨拶をし,その中で,長官が新人時代に判決文の起案ができず,裁判長に言い渡しを延期してもらったという自身のエピソードを披露しました。長官は「時には自分の能力を超えるものを求められることもある。足りない部分は先輩に相談し,人の力を借りてでも責任を果たしてほしい。」と説いたとのことです。

 

★新人弁護士についても同じ事が言えるかと思います。裁判官、検察官と共に法曹三者の一端を担う弁護士も(新人もベテランも),自分の仕事が司法への信頼につながるものであり,法の支配を支えるものであることを常に忘れてはいけないと思います。私も新人の頃、ある民事事件の証人尋問の申請書類を作成していた際に,数時間記録を検討しても尋問事項を思うように書面化することができず,事務所の上の先生に泣きついて何とか書面化することができたことがありました。

 

★今年新たに弁護士や裁判官、検察官になった人達も,実際の事件処理にあたっては,本に書いていないことや裁判例のない問題が沢山発生することでしょう。でも,その際には身近な先輩や司法研修所同期の友人に相談するなどして乗り越え,経験を積んで一人前になってもらいたいと思います。私も今年の4月で弁護士になって35年が経ちます。改めて初心に返って個々の事件に謙虚な姿勢で臨みたいと思います。

 

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