調査2回目。
今回は日曜日。
奥さんは子供を連れて実家に行く計画。
その間、夫はフリーになる。
妻帯者にとっては、絶好の遊びチャンスと言うわけだ。
昼12時。
夫が外出。
駅前の中華屋で昼食を取る。
店を出た後、スタバへ。
1人でコーヒーを飲み、読書。
その後、スタバを出て古本市場へ。
PS4の中古ゲームを購入。
そして帰宅。
現在の時間は16時。
初日に感じた予感が現実味を帯びてくる。
18時。
夫が外出。
駅前の定食屋へ入る。
食べ終えると帰宅。
やっぱりヤバい。
妻が浮気調査の相談に来る場合、ほとんどの夫はクロである。
浮気調査は安い商品では無いから、よほどの確証が無いと依頼など出来ない。
まして、男は馬鹿でガードが甘いので、すぐに妻に感ずかれる。
だが、時折今回の様なケースがある。
唐突に離婚を切り出されるケースだ。
それでもやはり、女がいるケースが圧倒的に多いのだが、極まれにそうじゃない場合がある。
今まで何不自由ない生活をしていたが、唐突に今の暮らしが嫌になる。
理由は当人にしか分からない。
いや、当人にも分からない、なんて場合もある。
ただその場合、妻側はたまったもんじゃない。
夫が浮気をしていれば、相手憎しという気持ち=「戦おう」という感情がある意味自分を支えてくれる。
だが浮気をしていなかった場合、離婚原因の究明が困難になり、自分が原因なのでは?という考えを払拭する為に、あらゆる可能性を模索してしまう。
今回の調査は、その可能性が高い。
特に、頭が良すぎる男は、自分の頭の中でだけで物事を完結する傾向が高いので、周りにいる人間が理解出来ないままとんでもない行動を起こしがちである。
家庭外での事象や第三者の存在が原因ではなく、あくまで自分の頭の中だけで起きてしまった事なので、巻き込まれる家族に取っては「迷惑」という言葉では片づけられないだろう。
奥さんの現在の様子を伝えたところ、23時までには自分も帰宅するのでそれまで監視していて欲しいとの事。
結果、何事も起きず2日目も終了する。
翌日、奥さんから連絡。
昨夜、奥さんが帰宅した時に、夫は蔦屋で購入したゲームをしていたらしい。
しばらくすると、再度離婚の話を切り出され、金銭や親権の話まで具体的に提示してきたようだ。
2日間の調査の内容と夫の言動のアンバランスの差が、奥さんの心理を混沌とさせている様子が伝わってくる。
来週も依頼したいと言うので、3回目の調査を予約。
何でも良いから腑に落ちる離婚の要因を掴んであげたい、と思いながら、3回目の調査を開始した。