夫と同僚女の退社後デートは、相変わらず何の進展も無い。
女は、回を重ねるごとに夫への密着度を増していくが、夫は最初の頃と一切変わらない。
腕を組まれようが、交差点でハグされようが、一度たりとも自分から抱きしめる事もしない。
何度もホテルに行く機会はあったし、奥さんがわざと家を留守にして、その機会を作ったりもした。
だが、夫の態度は変わらない。
まるで、女が自分の夢中になっていく様子だけを楽しんでいるみたいだ。
土日も、あれ以来、別の女とは会わなかった。
奥さんも我々も、気力の限界が近づいているのを感じた。
ある日曜日。
その日は別案件で、建築会社社長の浮気調査をしていた。
社長は、情報にあった中国人女性と共に、ラブホテルへ。
出の映像を撮る為、駐車場正面のコインパーキングに駐車し、ビデオカメラをセット。
ラブホテル出入口にもIPカメラをセットし、万全の体制で対象等が出て来るのを待っていた。
ふと見ると、我々の車の横に、男が立っていた。
例の夫である。
慌てて奥さんに連絡すると、30分ほど前にジョギングに出かけた、との事。
確かにジョギングの恰好をしているが、いま彼は、張り込み中の我々の隣に立っている。
我々の存在には眼中無く、夫はラブホテルを観察している様子。
しばらくすると、デリヘル嬢と思われる女性が一人で出て来る。
夫はその女性に声を掛け歩き始める。
状況が掴めない俺は、とりあえず2人の後を追う事に。
夫はデリヘル嬢に話掛けたまま100mほど歩くと、彼女と別れ再びホテル街へ。
今度は別のデリヘル嬢に話しかけ歩き出す。
しばらくすると、またホテル街へ戻ってくる。
そしてまたデリヘル嬢を見かけると声を掛ける。
長年、人を観察する仕事をしてきた俺だが、こんな行動パターンは初めてだ。
そうこうしているうちに、本日の対象者でる社長がラブホテルから出て来た。
後ろ髪を引かれながらも、我々は社長の尾行を開始した。
社長の調査が終了後、奥さんに連絡。
夫はあれから1時間ほどして帰宅したらしい。
買い物袋を持ちながら、普段のジョギング帰りと全く同じ様子だったと。
今日の夫の様子を、奥さんと協議したのちに、2人とも一つの結論にたどり着く。
彼は、デリヘル嬢をナンパしていたのだ。。
そして、調査開始から半年が経とうとしていた頃、奥さんから調査終了の打診が来た。