新人探偵の悲劇④ | フルさんの「女性の為の離婚戦略室」

フルさんの「女性の為の離婚戦略室」

探偵歴35年フルさんです。浮気問題や離婚問題に悩む女性のための離婚アドバイザーを始めました。

画面には、サウナの看板。

行動調査をする場合、調査開始場所の撮影から始めるのが基本である。

自分が置かれた状況を知らず、トクモリ君は律儀に基本撮影をしている。





場面は、更衣室に。


ジャニーズ系の少年2人が、お互いの手にハンドクリームを塗りあっている。

談笑しながら、時折、恍惚の表情を見せる美少年達。


画像には一切のブレは無く、トクモリ君が集中している様子が手に取るように分かる。



50歳位のサラリーマンと思われるおっさんが映し出される。

どこにでもいる普通のおっさんが、カメラ前で丁寧に服を脱いでいく。

最後の一枚は、赤いレースのビキニパンツだった。




別のおっさんがカメラ目線になり、トクモリ君に近づいて来た。


画面から、トクモリ君の動揺が見える。


ここで一旦画像が途切れる。





「ね~凄いでしょ!(笑)」


確かに、この状況下でこれだけの撮影が出来たことは驚愕に値する。

とても、へなちょこトクモリ君の撮影とは思えない 。




再びサウナ内の映像へ。


どうやら仮眠室のようだ。


普通のサウナの仮眠室は、リクライニングソファーが並んでいる。


だが、そこの仮眠室は雑魚寝らしく、部屋一面に男衆が横たわっていた。


明かりが暗い為、何をしているかまでは分からない。


俺は、テレビで見たセイウチの集団活動を連想した。





よく見ると、所々に固まりが見える。



「ね~何なのこれ?」


「1人の男が数人の男に襲われてるんです」


えっ・・( ̄□ ̄;)


恐ろしい事を、さらっと言うトクモリ君。


「若者グループとか筋肉質グループとかあって、自然と固まりが出来るらしいっす」


ひえ~~(;°皿°)




この異質な空間で、これだけのものを撮影出来るとは!


普段のビビりトクモリ君とは思えない。


というか、何でそんな事知ってんだ・・・。



「ぎゃはっはっは~~」


後藤さんは大うけである。





画面が変わり、中年男のドアップが映し出される。


良く見ると外を歩いているらしく、すでに朝のようだった。




松崎シゲルに似た浅黒い中年男は、満面の笑みを浮かべながら誰かと話をしている。




「こ、これは?」



「一緒に新宿駅まで行ったっす」


「だ、誰?」


「サ、サウナで知り合った人っす」


!∑(゚Д゚)





2丁目のサウナから新宿駅まで、トクモリ君と松崎シゲル似の男は、一緒に並んで帰ったらしい。


カバンに仕込んだカメラからの撮影らしいが、松崎シゲルは全く気付いていない。


あまりに至近距離の為、シゲルの声まで録音されていた。






後藤さんは狂ったように笑っている。


「うひゃひゃっ~!お、お前、シゲルとヤったのか~!(笑)」


「ヤ、ヤってないっすよ!た、ただ・・・」


「ただ、何だよ!」


「クチでされました・・・。」



「うひゃひゃひゃひゃ~(爆)」



後藤さんは笑い死に寸前だ。




画面のシゲルが別れ際に叫ぶ。


「またな!」






「あひ~~~っ(大爆)」



後藤さんは爆死した。









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後日、トクモリ君は、ホモサウナの調査報告書を作らされた。


その報告書は、○ルの上層部にたらい回しにされることとなる。


哀れな新人探偵の噂と共に、「後藤さん鬼畜伝説」に拍車がかかった。





この事件で脚光を浴びたトクモリ君だったが、しばらくすると元のヘナチョコに戻っていった。


ホモサウナでの撮影技術は嘘だったかのように、失尾と迷子を繰り返した。




そして、事件から1ヵ月後、本来の調査業務に何一つ成果を残さないまま、トクモリ君は田舎に帰っていった。







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「いや~おしい奴を失ったね~」


「はぁ」


業務上では、全くおしい人材ではなかったトクモリ君。


だが、後藤さんにしてみれば、玩具を無くしたような感覚だったに違いない。




俺は正直、お荷物がいなくなってホッとしていた。


使えない奴と組むくらいなら、1人で調査してたほうが良かったからだ。


昔は、今よりも仕事にドライだったのである。








数か月後、新たなスタッフが配属される。


トクモリ君とはタイプは違うが、これもまた使えない奴だった。




「お前に勅命を与える」



そいつもホモサウナに潜入させられる。


だが、そいつはビデオ撮影が見つかってしまい、とても記事に書けない体験を強いられる。



その結果、トクモリ君とは違い、本当にもう一人の自分に目覚めてしまう事となるのだが・・・・




















それはまた、別の話。




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