はるがいったら | フォークシンガーの生きる道

フォークシンガーの生きる道

自称昭和最後のフォークシンガーです

ポルノグラフィティ、ゴールデンボンバー、松山千春さん、中森明菜さん、天使もえさんを崇拝しています。

一貫性の無さを一貫する矛盾の塊。

目指せ一発屋‼




秀逸な作品に出会った。

はるがいったら

これはまずタイトルが素晴らしい。

その意味は内容を確認してほしいんだけどひらがなで記載されていることで意味が様々に取れる。

日本語の素晴らしさだ。

色んなことが描かれた本だけど
「家族」
ってのを大きな輪にして描かれているんだと思う。

潔癖気味の完全主義者の姉園と全てにおいてまあ仕方ないで片付けてしまう弟行。

正反対のように感じる二人なんだけどあぁ兄弟なんだなってのが何となく感じられて面白い。

これは作者さんの力量だと思う。

出だしで姉の園が着物来て登場とかいうからどんなぶっ飛んだ天然人間かと思えば正反対。

園の目線と行の目線で描かれているんだけど完全主義者で人とあまり接しない園が結構揺れててその起伏が個人的にはとても印象的だった。

変わり者と呼ばれる人間だってその人なりの悩みはあるし完璧主義者だって完璧にしきれない部分もある。

ラスト、一つの出来事がきっかけでかかわり合うことのない人間達が集まるシーンはラストを描くのにとても素晴らしく感じた。

作者の飛鳥井千砂さんはこの作品で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビューされたそう。

これがデビュー作…
凄いな。

とても素晴らしい本に出会えて幸せな気分。