今日でGW前半終了の方もおみえと思います。

よい一日をお過ごしください。

感想・・・つづけます。

 

23.花散るやソースを拭うパン一片  おみそ

花の散る季節に・・・フレンチとかイタリアンとか・・・でしょうか?最後にソースまでキレイに味わって・・・目に浮かぶようでした。ごちそうさまでした。燕来る鉄腕アトムの発車ベル 「鉄腕アトムの発車ベル」は高田馬場駅でしたね。燕の軽快な感じと鉄腕アトムは、意外性と、それでいて離れすぎずでよかったと思います。

 

4.日輪の歪んで沈む涅槃西風    カリン

先の「特選」に追加して書くのを忘れておりました。「日輪の歪んで沈む」・・・夏の大夕焼を感じましたが、こういう発見を一句に出来るのって素晴らしいと思います。「涅槃西風」で調和しました。

 

25.参道にあまたの句碑や花の雨   みなみ

句碑のある寺社をグーグル検索したら・・・かなりあちこちにあったんですね。自分は調布の深大寺くらいしか知りませんでした。上五中七のフレーズに「花の雨」が活きてました。雨くらいがちょうどいい感じでした。

 
26.春疾風天辺の無きバベルの塔   日記
掲句、一読チャレンジしたなぁ・・・と感じ入りました。確かに聖書の「バベルの塔」、完成前に神様が言語を混乱させて、天辺まで完成しなかったんですよね。「春疾風」の季語との取り合わせも良かったと思います。余談ですが、昨年、大塚美術館でブリューゲルの複製「バベルの塔」を観てきました。中世の画家って・・・まだ考古学という学問もなかった時代ですから、全てが中世様式で描かれていて・・・その辺が面白かったです。古代人が、あの中世頃の技術を身につけていたら・・・世界はとっくに終わっていた・・・かもしれない。。。新宿の白き輪郭春霞 こちらは実景でしょうね。遠くから観ても、「春霞」の日でも、やはり「あそこが新宿だ」って解りますもの。
 

33.鶯の声に追ひつく上り坂     ハイジ

「鶯の声」・・・声はすれども姿は見えず・・・実感が伝わりました。「上り坂」を追いついたのは・・・頑張りましたねぇ。この頑張った感が一句の佳さと思いました。教会はダムに沈みぬ初蝶来 出典をご自身のブログで教えて頂いたので・・・なるほどと思いました。「悠々自適」結果発表 4月  | ハイジのブログ (ameblo.jp) 前半の哀しい出来事に対しての「初蝶来」の季語がよかったと思います。個人的には「沈みぬ」より「沈めり」かなぁ・・・なんて感じました。
 
36.ためらひて山の混浴夕桜     静可愛
艶っぽいですねぇ。「夕桜」がこの艶っぽさをさらに引き立てていたと思います。地元の爺さんたちは、じろじろ観るんだろうなぁ。いや、こういうところは、やはり、そっと横を向いて流し目を細く味わうものだと思います。当句会の男性陣は、掲句にもっと選を入れるかと思いましたが・・・。う~ん。バス停に長椅子一つ飛花落花
こちらは写生句ですね。昔は、このベンチに乗降客がところ狭しと座っていたんでしょうが、今や座る人もあまり見かけない・・・。そんな時代の変化を感じました。
 

39.片陰の女のかがむ煙草かな    百々世草

今や喫煙者は、白い目で見られる時代ですから・・・。女性の仕草に「片陰」の季語が活きていたと思いました。数輪の薔薇香り立つ祖母の庭 こちらも・・・先に書かせて頂いた「私的俳句」と思いました。お祖母さまが丹精を込めて作り育てた薔薇の庭。今も花は時が来れば咲き、自然の中に息づいている。・・・最近思うのは、時節をわきまえないのは人間ばかり・・・と感じます。
 
今回も皆様のご参加に感謝致します。
 
おしまい。