あっという間に11月ですね。
今年も余すところ2ヶ月となりました
それでは、11月のお題に参ります。
11月の漢字席題
「背・中・焼・歩・音」
先回の参加作品から抽出しました。
*参加作品からというのは、皆さんに毎回ご参加頂いて、参加した意義を高めて頂くためにしております。
【句型課題】
藤田湘子『20週俳句入門』の20週目の課題になります。
・今を点で詠む
・どこで切るかを考える
今を点で捉えて詠むことについて、例句と藤田湘子の解説を以下に記します。
白雲と冬木と終にかかはらず 高浜 虚子
一片の落花の行方藪青し 松本たかし
麗かや松を離るる鳶の笛 川端 茅舎
春夕べ襖に手かけ母来給ふ 石田 波郷
まず一句目。近景に冬木があり遠景に白雲が浮かんでいる。白雲はゆっくり動いて、冬木に近づきつつあるように見える。作者は、やがてその白雲が冬木の梢とかさなるかと思っていたのだが、その予想は遂にはずれ、白雲は梢と交わることなく過ぎて行った。
こういう内容だが、白雲の動きを追っていたしばらくの時間は省略して、「もう白雲と冬木は交わることはない」と分かった時を捉えて、素早く発想している。「分かった時」というのは生ぬるい。「分かった一瞬」と言い直そう。その「今」が鮮やかだから、交わりそうで交わらなかった、白雲と冬木のある空の一点が見えてくるのである。何回か朗誦しているうちに、そのあたりの機微が感じられるはずである。
二句目。この「一片の落花の行方」も、眼で追っていたひとひらの落花の閃く時間を、「行方」でヒタと止め、「藪青し」でそれを確かなものにしている。
一片の落花舞ひ行く藪青し
では「今」も「点」も甘くなるだろう。「行方藪青し」が「今」であり「点」である。
三句目。「鳶の笛」は、この作者の造語。この句や
灌佛や鳶の子笛を吹きならふ 川端茅舎
しんしんと雪降る空に飛びの笛
などによって「鳶の笛」が俳壇に大流行した時期があったけれど、鳶のあの「ピーヒョロロ」と啼く声を笛にたとえた巧みな造語と言える。高い松の梢にいた鳶が、空へ飛び立つとき「ピーヒョロロ」と鳴いた。これも、
麗かや松にあそべる鳶の笛
麗かや松の空なる鳶の笛
などでは鋭さが消えてしまう。「離るる」という「今」「点」の見事さ。
四句目。胸を患って自宅で静養している作者のところへ、郷里からはるばる老母が見舞いに来たときの作。交通事情の悪い昭和23年、作者はやがて療養所で手術を受けようという時期。切迫した感情を抑えに抑えて「襖(ふすま)に手かけ」と描写に徹底した。襖を開けて病室に入って来、それから座ってまた襖を閉める老母の動作が見えるような句だが、すべて中七の「今」と「点」の効果である。
まとめます。
・俳句は、時間・経過を詠うより点をとらえて詠うものである。
・対象を広くひとまとめに詠うのではなく、一点に絞って詠うのである。
・全体を表現するのではなく、部分を詠って全体を感じさせる方法が適切である。
・発端、経過、完了と分けてみたとき、完了の点で詠うと発端、経過も連想されてくるものである。
★今という点を完了形で詠むことで、それ以前の時間の経過とか一句の時間的奥深さが見えるようになります。下記の句がその顕著な例です。
泉の底に一本の匙夏了る 飯島晴子
どこで切るか…については、学んできた4つの型を記します。
これらの型で作るもよし、切字を入れなくても切れが入るよう心掛けてみてください。
【型・その1】
名月や 男がつくる 手打そば
季語(名詞)+や(切字)+ワンフレーズ(名詞止)
【型・その2】
寄せ書きの 灯を吹く風や 雨蛙
ワンフレーズ+や(切字)+季語(名詞)
【型・その3】
金色の 佛ぞおはす 蕨かな
ワンフレーズ+季語(名詞)+かな(切字)
【型・その4】
はつあらし 佐渡より味噌の とゞきけり
季語(名詞)+ワンフレーズ+けり(切字)
季題:当季雑詠でお願いします。
【スケジュール】
投句締切:11/15(日)25:00
お一人様 漢字席題1句、句型課題2句 計3句。
投句内容アップ予定:11/16~18
選句については、お一人様5句選の持ち点で特選の場合、1句に2点を使用。
選句締切:11/22(日)25:00 *投句後、一週間と思って下さい。
選句数:特選1句(2点)、並選4句(各1点)
結果発表および次回要項 11/23~30
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