句友モニカさんこと松村五月さんの俳句が載っているということで
俳句四季1月号、購入しました。
モニカさんの句を…と思いきや…鷹主宰、小川軽舟の10句も載っていたので…
まずはこちらから…
雪 小川軽舟
泥に降る雪うつくしや泥になる
雪降るや雪降る前のこと古し
ぬるき湯にねむりさうなり雪深し
雪景色女を岸と思ひをり
うみどりに滞空時間われに雪
肩の雪払ひ珈琲頼むなり
むみょう
原子炉の無明の時間雪が降る
雪が降るあと五分だけ待ちてみむ
雪になりさうと二階の妻降り来
灯を消せば部屋無辺なり夜の雪
1句目…こんな歌を思い出した。
大人しい…落ち着いた佇まいの句が持ち味の主宰だ。
つづいて…
松村五月女史〈響焔〉の句
朱いもの 松村五月
丸善に何を置こうか十月は
いくつめの橋なのだろう山時雨
木枯らしの先を歩いて病院へ
時雨るるやからくり人形館出れば
朱いものやわらかく煮て今日の秋
家出しようか秋バラを見にいこか
やや傾ぎ十一月は舟のよう
明日あるを信じて赤し帰り花
1句目…決して“丸善”の店員の言葉ではない。
丸善に檸檬を置いたのは、梶井基次郎だ。
それを踏襲して、何を置こうと問うているのだ。
…確信犯…だな…と思った。