1月もあっという間に晦日(つごもり)です。
しばらく更新を怠っていた『漱石俳句かるた』をつづけます。
書きたいことは山ほどあるのですが、なかなか落ち着いてブログに向き合えないでいます。
少し稼業に専念しなくては…と思っているので更新が遅れますが、緩くお付き合いいただければと思います。
『漱石俳句かるた』
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漱石俳句かるた
漱石俳句かるた―その1―
漱石俳句かるた―その2―
漱石俳句かるた―その3―
漱石俳句かるた―その4―
漱石俳句かるた―その5―
てらまち どべい すき ぼけ
て:寺町や土塀の隙の木瓜の花
Along the Tera-machi street,
Blossoms of quice,
From the crack of the wall.
明治32年作。
「寺町」という語によって、「土塀」が昔ながらの立派なものであることがわかる。その隙間から木瓜の花が顔をのぞかせているのを詠んだもの。
「木瓜咲くや漱石拙(せつ)を守るべく」の句のように、木瓜に拙を守る自分を重ねた漱石の目には、「寺町」・「土塀」の古風さにひきつけられたのであろう。
季語「木瓜の花」=春
しり す かぼちゃ
と:どつしりと尻を据えたる南瓜かな
Pumpkins falling
On their butts
Heavily like stones.
明治29年作。前書「承露盤(しょうろばん)」より。
修辞法を使って「南瓜」の特徴が描かれている。まず「どつしりと」という擬態語によって南瓜の大きさ・量感が表現され、「尻を据えたる」という擬人法は南瓜の安定感をよく表している。「尻」の一語はこの句のこっけい感をかもし出している。
季語「南瓜」=秋
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