3月21日は、朝から渡良瀬遊水地において「ヨシ焼」があった。
その詳細は下のURLでご確認いただければと思う。
http://www1.odn.ne.jp/~aan53170/wtrs/news/yoshi.htm
歳時記をひもとくと、「野焼」の類義語として、「野焼く・野火・草焼く・堤焼く・丘焼く…」などがあり、森澄雄氏の解説が書かれていた。「春先、晴天で風のない日、火を放って枯草を焼き払う。害虫を駆除し、またその灰が馬や牛の飼料となる草の成長をうながし、蕨・薇(ぜんまい)などの発育を助ける肥料にもなる。野火は野焼きの火をいう。また焼く場所によって、堤焼く・丘焼くという」。
ちょうど私たちが埼玉から現地に向かう途中、北の空が見る見る異様な薄墨色の雲に覆われていくのが見えたが、近づいてまざまざと様子を観ると、さすがに勇壮な春の風物詩を感じたのであった。
野とともに焼くる地蔵のしきみかな 蕪 村
古き世の火の色うごく野焼かな 飯田蛇笏
野を焼きて戻る声まで火の匂ひ 藤井 亘
野を焼いて帰れば燈火母やさし 高浜虚子
一般人は近くへの立ち入り禁止だったため、上のURLにあるような光景までは見られなかったが、遠目に見ても野火がところどころ燃え盛る様子がわかった。野焼きの後の、芒・萱・芦などが焦げ残った野を末黒野(すぐろの)というが、一面に広がる焼け野原も見事な景色であった。
雉の声あらはに悲し焼野原 正岡子規
きっさき
末黒野に雨の切尖かぎりなし 波多野爽波
楓の会のレポートは、この後、記させていただく。
乞うご期待。人気ブログランキング