11月15日、今日は七五三だと報道で言うのを聴いて、改めて年の瀬まであと一月半という時の流れの慌しさを噛みしめた。昨日も都内の駅で着飾った親子を見かけたものだ。男の子が蝶ネクタイにスーツを着ながら、
「しち、ご、さんっ オモロ~」と仰け反ってはひょうきんなポーズを取っていたのに、最近の世相を感じた。
歳時記からそのまま抜粋させていただくと、「男子は三歳・五歳、女子は三歳・七歳を祝う行事。髪置・袴着・帯解などの祝いが一つになって江戸中期以降、江戸などの大都市で行なわれたのが始まり。今日では十一月中旬に着飾った子供が親に連れられて神社などに参詣する風習として残っている」とある。
そして、この着飾る風習は、江戸時代以来の商店の営業政策に端を発しているのだそうだ。
どうも日本人というのは、様々な行事を商業界が率先して推進し、それに相乗る形で世間が動くというのが好きらしい。
それにしても昨今のクリスマス商戦や、ハロウィンなど西洋からやってきた祭りごとの方が、どこかしら派手に感じるのは、きっと自分だけではないだろう。きっとそれは、日本の行事が―例えば今日の七五三であるが―神社に参詣したりと、宗教色の淑気を帯びているからなのかもしれない。西洋の祝いごとの方が、日本人的に宗教色を抜きにして純粋に騒げるのだろう。
何はともあれ、景気先行きの不透明な時代にあって、子供たちがまだまだ明るく楽しく過ごしているというのは、ちょっとほっとする瞬間だった。
ふと思ひ出して七五三なりき 清崎敏郎
振袖の丈より長し千歳飴 石塚友二
茶畠に家族の道や七五三 伊藤たまき
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