先日、まだ暑さの厳しい日のこと、茨城県笠間市に出かけた。JR宇都宮線小山から水戸線で小一時間の各駅停車の旅だ。午前の仕事を終えて次に水戸を経由して常陸太田まで向かったのだが、ひとつ電車に乗り遅れてしまった。ローカル線はひとつ乗り遅れると次の電車まで一時間待たねばならない。そして予定地までは一時間半のロスタイムだ。真夏の陽射しに頭の中も白くなる。とりあえず訪問先に連絡を入れ、ベンチに腰掛けるといきなり睡魔に襲われた。
さんじゃくね
単線の駅のホームや三尺寝 悠人
同じ関東と言えども、関東広し。都内や横浜辺りの喧騒とは全く違う別世界がそこにある。時間の流れる速さが全くもって緩やかなのだ。スローモーションに時が過ぎる。こんな時間もたまにはいいものだ。
らくねひるね ものぐさたろう
楽寝昼寝われは物草太郎なり 夏目漱石
われも物草太郎なり。大きく伸びをして目を細めて稲田に吹く風を眺めたのだった。
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昼寝というのは、夏の季語だ。夜の眠りが浅いこと、日中の気温の高いことから、疲労を回復するために昼寝は有効な休息だ。日脚が三尺だけ動く身近い暇の睡眠を三尺寝という。
南欧にもシエスタという習慣があるが、日本も、せめて夏季の間だけでも、そんな習慣を取り入れてもいいのではないか?
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