暦の上ではもう春です。

…このセリフ、何回聞いただろうか?


それにしても、暦の上で「もう春だ」と言われると、幾ばくながらも安堵を覚える。

歳時記を見ても、「まだ寒さはきびしいが、さすがに日脚は伸び、木々は芽吹いてきている」とある。

まさに立春とはそんな日だ。

今日の関東地方…昨日の雪が残り凍り付いて、交通に乱れが生じたが、それでも雪の照り返しの陽射しは、もう春なんだと感じさせるに十分だった。


はるた      ぐ   うへ   また ぐ

春立つや愚の上に又愚にかへる   一 茶


りっしゅん ゆき   ふか    てまりうた

立春の雪の深さよ手鞠唄       石橋秀野


りっしゅん  ひ   わ つき  わ くも   なか

立春の日の輪月の輪雲の中     中川宋淵


3句目の鑑賞として加藤楸邨は次のように書いている。


陽暦では大体二月四日頃が立春にあたる。暦の上の立春から春が立ったなと感ずるときもあり、何となく春めいてきたなと感ずるところから立春の日を意識することもある。この句の場合「立春の」と発想しているところから考えて作者はまず立春を暦の上で意識していたものであろう。

日も月も雲の中にかくれているような日なのだが、その雲に日も月もまわりに輪を帯びているようにぼうとした光が漂っているのである。そのぼうとした光の輪が何となしに今日は春立つ日だったのだという感じを呼びさます。

雲の中にある光の輪として太陽と月を感じとっているところがこの句の眼目であろう。


日差しとか日脚に「春」を感じるのが立春の今日の日だ。



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