帰り道、鳩の群れが、小路で羽ばたいては埃を舞い上げていた。
枯葉の下の木の実でも探しているのだろうか?
羽ばたいて塵と枯葉を舞い上げ、その辺をしばらく啄ばんでいたかと思うと、また羽ばたくという動作を繰り返している。やはり餌を探しているのだろう。
こんな風景を見ると、冬だなと思う。しかも今日は冬至である。
これからますます寒さが厳しくなろうに…。鳩たちの姿に憐れを感じた。
駐車場に戻り、タクシーと悠人の車とに乗り合わせて東戸塚駅まで戻った。
駅前のストアでお弁当の買物を済ませると、坂を下り句会場の東戸塚地区センターに向かった。
とりあえず午前中は、なんとか天気もったね。
センターの小会議室に入ると翠さんが袋いっぱいの柚子を皆に分けてくれた。
今日は冬至だから…と思って持って来たの。
皆さんで分けて。
心遣いに感謝して、暫し匂いを嗅いでみたり、手のひらに転がしてみたり…。
これも句作の一助とした。
お弁当を食べ、それぞれ持ち寄ったお菓子を口にしながら句作を始める。
提出は5句、締切は1時半・・・。裕子さんが言うと、みんな真剣な面持ちになった。
それでは今日の句の紹介。
しあん ゆ てのひら あそ
思案せり柚を掌に遊ばせて 純江
やす たいじん やま
安らかに黛人ねむれ山ねむれ なほ
かれあし よ なみ ひか
枯蘆や寄るさざ波の光りあふ 久雄
あゆ い ふゆき め
あてどなく歩みて居たり冬木の芽 英子
黛人さん墓参
さざんか こころしず ねむ
山茶花や心静かに眠れかし 裕子
どんてん あわ ふゆざくら
曇天にまぎれて淡し冬桜 翠
みちわか ゆきもよい
ふたすぢに径別れけり雪催 康子
しゃ かいば
ポニー舎の飼葉たっぷりクリスマス しのぶ
東戸塚黛人墓参
ふゆざくら かつじ と ひと と
冬桜活字の徒たる人訪ひぬ
みずどり かお えら む せ
水鳥の貌を選びて向ける背よ 悠人
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