宗教法人判例・行政情報ナレッジベース

現代の右筆 行政書士橋本哲三が専門分野である宗教法人の判例・行政情報などを綴ります。


テーマ:
 前回まで紹介した「墓地経営・管理の指針」のポイントについて、
いくつか取り上げて見たいと思います。

2 墓地経営の許可に関する指針

○ 計画段階で許可権者との協議を開始すること。

 墓地経営の具体的な許可基準は各都道府県等において定められているが、その内容は多岐にわたっており、事前相談なしに許可基準を満たした申請をすることは容易ではない。また、工事着工等を行った後で基準を満たさないことが判明した場合には、申請者、許可権者双方にとって非効率であり、かつ結果として負担が大きくなる。円滑に許可業務を進める上で、計画段階から許可権者たる都道府県等との間で相談・協議を開始することが不可欠である。
 また、申請者にあっては、周辺住民とのトラブルを回避する観点から、計画段階において墓地設置について理解が得られるよう努めることが望ましい。


 → これが大切。
 計画段階で、墓地納骨堂の許可申請を出す行政部署に事前相談をして、
どのような許可や手続が必要か、確かめながら進んで行くことが、
遠回りのようで一番の近道です。
行政書士ならば、通常他の許可申請でも行っている事前相談がいかに有効か、
よくご存じであると思います。


○ 許可を受けてから募集を開始すること。

経営許可の申請に当たって十分な需要調査が行われるべきことは当然であるが、単なる需要調査ではない具体的な契約の前提となる募集の開始の時期は、墓地経営の許可を受けた後でなければならない。許可されなかった場合に申込者が迷惑を被ることとなるだけでなく、そもそも無許可の墓地経営に当たる可能性があるためである。


 以前、知り合いから、許可を受ける前に新聞折込チラシで募集広告を打ち、
問題になったケースがあったと聞きました。
このようなフライングをするということは、後に出てくる
「安定的な経営管理計画」内の「安定的な経営を行うに足りる十分な基本財産を有していること。」
疑わしいと判断される余地があり、許可が下りなくなる可能性もあります。
ここも、重要ポイントでしょう。


(2)墓地経営主体

○ 墓地経営主体は、市町村等の地方公共団体が原則であり、これによりがたい事情があっても宗教法人又は公益法人等に限られること。

 墓地の永続性及び非営利性の確保の観点から、従前の厚生省の通知等により、営利企業を墓地経営主体として認めることは適当ではないとの考え方が示されている。この考え方を変更すべき国民意識の大きな変化は特段認められないことから、従来どおり「市町村等の地方公共団体が原則であり、これによりがたい場合であっても宗教法人、公益法人等に限る」との行政指針にのっとって行うことが適当であり、具体的な運用に当たっては、こうした要件を条例、規則等に定めておくことが望ましいと考えられる。
 地方公共団体が行うのが望ましい理由は、墓地については、その公共性、公益性にかんがみ、住民に対する基礎的なサービスとして需要に応じて行政が計画的に供給することが望ましいと考えられること、将来にわたって安定的な(破綻の可能性がない)運営を行うことができ、住民がより安心して利用できることである。このため、例えば市町村が地域の実情を踏まえた墓地の設置等に関する計画を立てる仕組みの導入等も有効であると考えられる。宗教法人や公益法人も非営利性の面では墓地経営の主体としての適格性は認められるが、永続性の面では地方公共団体の方がより適格性が高いと考えられる。
 なお、公益法人による墓地経営の許可に当たっては、当該公益法人が大臣認可の法人でなく、かつ大臣認可となる予定がないことを確認する必要がある。これは、厚生省の通知等に示されているとおり、墓地埋葬法上の監督と公益法人の監督は一体となって行われることが望ましく、また、地域的な事情を勘案することも必要であり、厚生省が複数の都道府県で墓地事業を行う公益法人を監督するには限界があるからである。


→ 一般的に、市区町村等の自治体が運営主体とされて、
これによりがたい場合であっても宗教法人、公益法人等に限るという考え方です。
地域によっては、株式会社で運営されている墓所もあると聞きますが、
調べたことはありません。
このブログは、宗教法人関係の記事が主体ですので、
宗教法人に限って考えております。
仮に法人格を持たない宗教団体が墓地を経営するためには、
宗教法人、あるいは、墓地経営を行うための法人として、
公益社団法人、または公益財団法人が許可を受けることになるかと思います。
いずれも、許可を担当する地方自治体の担当部署に事前照会して、
どの法人形態が望ましいか確認をとる必要はあります。
この場合個人的には、現宗教法人法がある以上、宗教団体が墓地を経営するために、
宗教法人格をとらずに他の公益法人をとるというのは
、いささか不可思議に感じるところもあります。
もちろん、現宗教法人法施行以前より他の法人をとっている団体については、
その経緯を尊重する次第です。

続きはまた書きたいと存じます。




 行政書士は、墓地・納骨堂経営許可でも専門家として、許可申請を行います。

行政書士橋本哲三事務所は、宗教法人事務の専門家として、
墓地納骨堂関係の多くの事例に携わっています。
お問い合わせは、問い合わせフォームからお願いします。
初回問合せは、無料で回答致しております。





AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:
 今回は、墓地納骨堂経営許可後の指針について、
ポイントを挙げた部分を紹介します。

3 許可後の経営管理に関する指針

(1)報告徴収等の実施

○ 計画的に報告徴収を実施すること。
○ 任意の立入検査の活用を図ること。

(2)許可に関する指針の各事項についての再点検

○ 名義貸しが行われていないこと。
○ 中長期的な経営の見通しが適切であること。
○ 契約内容が明確かつ適切であること。
○ 許可の際の条件が守られていること。

(3)財務状況

○ 墓地以外の事業を行っている場合には、経理・会計が区分されていること。
○ 財務関係書類が作成、公開されていること。
○ 十分な基本財産を有していること。
○ 過度な負債を抱えていないこと。
○ 今後の中長期的な財務状況の見通しが適切であること。

(4)法令、条例等に沿った適切な経営管理

○ 墓地の区域の変更には許可が必要であること。
○ 平成11年の墓地埋葬法施行規則の改正事項が遵守されていること。
○ 墓籍簿等の帳簿の管理が適切に行われていること。
○ 契約内容に照らして不適切な経営管理が行われていないこと。
○ 管理業務を委託している場合、その方法及び範囲が適切であること。
○ 管理者の研修等の実施を都道府県等において行うよう努めること。



 以前、このブログでも紹介しました、「名義貸しが行われていないこと。」は、
許可後のポイントに挙げられています。
ですので、
「許可をもらうまでは、宗教法人が主体となっていたが、
その後実態が名義貸しになった」

という経緯でも、
行政側から何らかのアプローチがある可能性があるということです。

 このテーマの次回からは、個々のポイント部分のいくつかを見てみたいと考えております。


AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:
「宗教法人法」の所管省庁は、文部科学省(文化庁)。

墓地、埋葬等に関する法律」の所管省庁は、厚生労働省。

 法律とは、その所管する省庁により手続きする部署が違います。

 例えば、仏教寺院などが境内地墓地を拡張したいと相談と申請しに行くのは、
市区町村(または、都道府県)の保健所等(各自治体によって名称は違います)です。
これは、墓埋法を基にして事務を実際に行っている部署です
(個別あるいは細かな根拠法令は省略します)。
これらの部署に細かな指示を出す書類は、通達や通知などと呼ばれています。

 墓地経営許可に関して有名な通達が、以前、「墓地経営と名義貸し」
http://ameblo.jp/yu-hitsu2006/entry-11958379620.html
でも一部引用した表題の「墓地経営・管理の指針等について」
http://www.mhlw.go.jp/topics/0104/tp0413-2.html
厚生労働省HP)です。
今回は、新規許可申請に関する小見出し部分をこの色で引用します。


(2)墓地経営を取り巻く厳しい現状

 墓地経営破綻事例の背景について解説されています。

 ① 墓地使用権の販売等による多額の一時金の存在
   ・資金流用の失敗
   ・他者の介入
 ② 低金利による財産運用の難しさ
 ③ 墓地経営の見通しの先行き不透明感
   ・墓地の無縁化など

そして、墓地経営許可に関する具体的なチェック項目を列挙しています。

2 墓地経営の許可に関する指針

(1)基本的事項

○ 墓地経営者には、利用者を尊重した高い倫理性が求められること。
○ 経営・管理を行う組織・責任体制が明確にされていること。
○ 計画段階で許可権者との協議を開始すること。
○ 許可を受けてから募集を開始すること。

(2)墓地経営主体

○ 墓地経営主体は、市町村等の地方公共団体が原則であり、これによりがたい事情があっても宗教法人又は公益法人等に限られること。
○ いわゆる「名義貸し」が行われていないこと。
○ 墓地経営主体が宗教法人又は公益法人である場合には、墓地経営が可能な規則、寄附行為となっていること。
○ 経営許可申請者が墓地経営を行うことを意思決定したことを証する書類が存すること。

(3)墓地の設置場所及び構造設備

○ 墓地の設置場所について、周辺の生活環境との調和に配慮されていること。
○ 墓地の構造設備について、一定以上の水準を満たしていること。

(4)他法令との関係

○ 当該墓地経営を行うに当たり、他制度の許可も要する場合には、当該許可を得たことを証する書類が存すること。

(5)安定的な経営管理計画

○ 安定的な経営を行うに足りる十分な基本財産を有していること。
○ 自ら土地を所有していること。
○ 土地に抵当権等が設定されていないこと。
○ 当初から過度な負債を抱えていないこと。
○ 中長期的需要見込みが十分行われていること。
○ 中長期的収支見込みは適切であること。将来にわたって経営管理が可能な計画を立てていること。
○ 墓地以外の事業を行っている場合には経理・会計を区分するようにすること。

(6)墓地使用契約

○ 基本的に標準契約約款に沿った内容であること。
○ 契約内容が明確であること。
○ 契約に際し十分利用者に契約内容が説明されるようにすること。その前提として、契約書及び重要事項の説明書が作成されていること。
○ 料金に関する規定が明確であり、利用者に十分説明が行われるものであること。
○ 使用期限に関する規定が明確であり、利用者に十分説明が行われるものであること。
○ 契約解除の場合にも使用者の保護が図られていること。

(7)許可の際の条件

○ 許可の際に以下のような条件が付されることが望ましいこと。
 ・ 使用料等を原資とする管理基金の造成
 ・ 監査法人による財務監査の受検
 ・ 財務関係書類の作成、公開 等


次の機会に、概要の説明を試みたいと存じます。



行政書士橋本哲三事務所

は、墓地・納骨堂の経営許可申請手続のプロです。
お電話(HPに記載)、お問い合わせフォームにて
お問い合わせお待ちしております。


AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。