他者からの評価の種類と注目量が社交不安の回避行動に及ぼす影響
【問題と目的】
社交不安においては,社交場面に対する回避行動が社交不安症状の維持要因となることが示されている (Rapee & Heimberg,1997)。これまで,社交不安を呈する者が回避行動を生起させる主たる認知的特徴として, 他者から「否定的に」評価されることに対する懸念が知られてきた(笹川他,2004)。しかしながら,近年,他者から 「肯定的に」評価されることに対する懸念も回避行動を誘発する可能性があり,社交不安を呈する者において特徴的な認知であることが示されている(Weeks et al., 2013)。
これらの知見を踏まえると,社交不安を呈する者は,「肯定的」や「否定的」評価といった,他者からの評価の種類 ではなく,他者からの注目量(他者からの評価そのもの) を弁別することによって回避行動を生起させている可能性が考えられる。そこで,本研究においては,他者からの評 価の種類および注目量が,不安や回避行動の程度に及ぼす 影響性について検討することを目的とする。 また,回避行動には,場面からの回避行動および場面内 回避行動があるが,これまで社交不安における場面内回避 行動は質問紙によって評価されることが多かった(岡島他, 2005)。しかしながら,社交不安を呈する者は,自身のパ フォーマンスを否定的に評価しやすいといった「モニタリ ングの不全」の問題が指摘されていることから(Stopa & Clark, 2000),社交不安を呈する者の回避行動においては, 主観指標と客観指標が異なることが容易に予測される。そ こで,本研究においては,社交不安傾向の高い者において 主観指標と客観指標によって測定される回避行動の差異を 検討することを目的とする。
結果と考察
場面内回避行動において主観指標と客観指標との間で結果 が一致しなかったことから,今後は,客観指標および主観 指標のどちらで測定される回避行動が社交不安症状の維持に寄与しているかを検討する必要があると考えられる。 場面内回避行動を測定する主観指標と客観指標の差異群 ごとに,Pearsonの相関係数を算出した。その結果,社交不安傾向高群においてのみ,中程度の有意な正の相関が認められ(r = .35, p = .05),社交不安傾向の高い者の方が, むしろ適切に自身の行動をモニタリングできている可能性 が示された。この結果は,社交不安傾向の高い者において 自己注目が高まっていることに起因すると考えられる。
内気と不安を軽くする練習帳 (原書名:Overcoming shyness and social phobia)
社交不安の認知行動療法について、非常に丁寧に書かれている本。
人前で話すのが苦手、緊張して上がってしまう、自然に人付き合いができず、社交をつい避けてしまうという状態は「社交不安障害」と呼ばれる。もっとも頻度の高い精神的な困りごとの一つで、有病率は一割を超える。しかし、自分を縛る不安の正体を知って、有効なトレーニングを積めば、改善は十分可能だ。実際にカウンセリングセンターで使われるプログラムを紹介しながら、克服の方法を実践解説。
対人関係療法でなおす 社交不安障害 自分の中の「社会恐怖」とどう向き合うか
具体的な治療法、不安にとらわれるメカニズムの解説などを解説した、SAD治療の入門書的な本。
わたしは数年前にこの本を読んだことがきっかけで治療につながれました。
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