快晴の名古屋港。
2002 年12月の保険医協会・社保研究会において見出しの演題で講演された内容の要約。
20年近く前の公演ですが、名市大は昔から認知行動療法をやっているようです。不安障害の認知行動療法のやり方を解説されているので非常に参考になります。。。ここでは割愛したけどパニック症の患者のプログラム参考になる、、、リアル。。。。このような専門的な治療が、研究機関だけじゃない、街のクリニック、どこでも受けられるようになるのが理想だなと思いました。
「不安障害の認知行動療法がおよそどんなものか」パニック障害や社会恐怖、強迫性障害という不安障害があるが、名古屋市立大学ではそれに対する認知行動療法をやっている。不安障害まず不安障害だが、不安障害とは感染症みたいな概念で、それだけでは診断名ではない。不安障害の中にいくつかの疾患単位がある。パニック障害、社会恐怖、強迫性障害、ほかにもわりと新聞をにぎわせているので聞かれたことがあったりするPTSD、全般性不安障害などもある。典型的な不安障害としてはパニック障害、社会恐怖、強迫性障害がある。もう1つ、社会恐怖とは、昔から赤面恐怖、対人恐怖といわれるように、人から注目を浴びる状況への恐怖感で、人からどう評価されているか、ばかと思われるのではないか、ということが気になって仕方がないというタイプの方である。本人はこういう心配が過剰、あるいは不合理であるということを自覚しているような状態を社会恐怖という。一番典型的なものは、人前でしゃべるといのは皆さんの注目を浴びる状況であるから、赤面して顔がほてってしまい皆に緊張していることがバレてしまうのではないか、言いよどんでばかなやつだと思われるのではないか、そんなことを心配すると心臓があおってきてパニック発作になってしまう。社会恐怖の人も、そういう人から注目を浴びる場面ではしばしばパニック発作を起こして、そのような社会的な状況を回避するようになる。人前でしゃべる、人と食事をする、皆とお酒を飲みに行くことができないとだんだん閉じこもり、引きこもりがちになってしまう。就職の面接には到底行けないというものである。例えば、私たちは「原稿の締め切りが迫っている。駄目だ、もう体も動かない。胸ももやもやするし、食事もできない」というふうになりがちだが、実はこれは別に締め切りが迫っているから、何かの状況に対してすぐ気持ちあるいは行動面で反応が起こるのではない。間にとある考えが起こり、体があるいは気持ちが反応するのだ。私には大変過ぎてできないと思ってしまうから、気持ちは悲しくなるし、行動は立ちすくむし、体はもやもやしてしまう、となるのだ。それが「認知モデル」である。例えば、うつの人ならうつの人、パニックの人ならパニックの人、あるいは躁状態の人には躁状態、強迫性障害の人には強迫性障害の特有の考えのパターンがある。そのために、特有の反応パターンが出てきて、そのように考えるわけである。この考えのパターン、これを「自動思考」というが、その奥には特有の思い込みがある。例えば、うつの方だったら自分は駄目な人間だ、という基本的な思い込みがあるために、どのような状況に対しても私には大変過ぎてできないと思う。そのために気持ちは落ち込むし、動きはとれなくなるし、となる。そのように認知モデルでは考えるわけである。この、私には到底できない、あるいは私は駄目な人間だ、というようなゆがんだ考え方、ゆがんだ認知に対して本当にそうなのだろうか、証拠はあるのか。もし本当にそうだったとして一体どうなるのか。あるいは、そうではない何か代わりのより合理的な考え方はないのか。そのように自ら問いかけて頭の中でより合理的な代替の考え方を見つける。これを「認知再構成」という。認知療法はこの認知再構成法を用いることにより、先ほどの流れ図の一番右端にあった気持ちが悲しい、行動が立ちすくむ、心臓がドキドキするなどという反応を起こさないでいいように考えよう、ということである。このように実際のどういう状況でついどう考えてしまったか、だがもう少し違った考え方ができないか、というのを3つのカラムで書くので3カラム法という。このときに割と大切なのは、何もこの真ん中の考え方が間違っていて向こうの考え方が正しいという意味ではない。真ん中の考え方も正しいかもしれないが、そうとは限らないし、こんな考え方もできるのではないか、というのが3カラム法の考え方である。もう少し現実的な話にすると、1人で残業し上司に提出した書類を整理しているときに記入ミスに気付いた。うつの人だったら、つい「上司は腹を立てているだろう。おれはいつも失敗ばかりしている。なんて駄目な人間だ。社会人としては到底やっていけない」と考えてしまうから不安60%、憂うつ70%となってしまう。だが、少し視点を変えて「夜に1人で考え込んでも解決できるわけじゃない。失敗したことは確かにそのとおりなんだから仕方がないし、だからといってこれは取り返しのつかない問題ではないんじゃないか。あした上司に謝ろう。そうすれば分かってもらえない人ではない。大体仕事が立て込んでいたからこのようなミスが起きたのだから、仕事の進め方を少し変えてみて、それも上司に相談してみれば少し良い方向にいくかもしれない」と考えれば、不安も憂うつも、もちろん0になるわけではないが、少し軽くなるのではないか。これが3カラム法である。最近では、疾患ごとの有効な行動療法的技法と認知療法的技法が分かってきて、それを組み合わせて全体を「認知行動療法」と呼んでいる。その基本要素は、先ほど言ったように、「心理教育」「認知再構成」「段階的暴露」これを認知療法では行動実験などとも呼ぶが、大まかにいって次の3要素からなっている。「心理教育は当たり前といえば当たり前だが、自分の病気の性質を知ろう」「そのときに起こりがちな、つい自分の中でネガティブな情緒、ネガティブな反応を起こしがちな考えの癖、認知のゆがみに気が付いて直そう」「そして、実際にそれを試してみて適応できるかどうか、行動してみよう」※〈認知行動療法=Cognitive-Behavioral Therapy〉認知行動療法は、学習理論を基礎とした経験的な精神療法である。CBTの個々の技法のいくつかは、全般医レベルでも適応できる。CBTは、不適応(maladaptive)自動的(automatic)あるいは中軸となる思考(core thoughts)、信念(beliefs)、認識(perceptions)および行動(behaviors)を同定し(identify)、これを疑問に付し(challenge)、修正しようと(modify)する。これを、治療的インタビューや認知作業や行動作業など一連の課題をこなすことによって達成させる。典型的な急性期治療は1回の治療で12週を要し、その後3~6カ月以上は空けないような間隔でブースター治療を行う。CBTはそれ単独で行うが、急性期の薬剤を補い薬剤を中止した後の再発を減らすことができる。べンゾジアピン剤はCBTの効果の妨げになる。〔全国保団連発行『向精神薬治療ガイドライン』より〕(編訳:名古屋市立大学医学部精神科教室参加)
内気と不安を軽くする練習帳 (原書名:Overcoming shyness and social phobia)
社交不安の認知行動療法について、非常に丁寧に書かれている本。
「練習帳」の名の通り、社会不安を克服するためには地道なトレーニングが必要ですが、ひとつひとつ章立てて書かれているので、段階的にステップを登っていけます。自分の思
考や行動を記録していくやり方の説明も明確でわかりやすく、具体的・実用的で、読むと励まされる本です。
人前で話すのが苦手、緊張して上がってしまう、自然に人付き合いができず、社交をつい避けてしまうという状態は「社交不安障害」と呼ばれる。もっとも頻度の高い精神的な困りごとの一つで、有病率は一割を超える。しかし、自分を縛る不安の正体を知って、有効なトレーニングを積めば、改善は十分可能だ。実際にカウンセリングセンターで使われるプログラムを紹介しながら、克服の方法を実践解説。
対人関係療法でなおす 社交不安障害 自分の中の「社会恐怖」とどう向き合うか
具体的な治療法、不安にとらわれるメカニズムの解説などを解説した、SAD治療の入門書的な本。
わたしは数年前にこの本を読んだことがきっかけで治療につながれました。
ではでは![]()





