フリクションで、ガクブル善逸。
スピーチ場面における異なる情動価をもつ自己イメージの影響の検討
自分に対しての良い・悪いイメージがスピーチに与える影響を図る実験。
・ネガティブな自己イメージによる影響を検討すると、高社交不安群において、赤面や発汗などの行動が他者に目立つと評価していた。
スピーチ前にネガティブな自己イメージを想像した高社交不安の人は、より不安が増し、赤面や汗などが人に気づかれているだろうと認識していたとのこと。
・ポジティブ条件は、ネガティブ条件よりも不安が低く、自己を肯定的に評価していた。内面的な不安感は存在するものの、外面的には不安に関連した様子が他者にあまり見えていないという自己認識に変化が生じていた。関連したポジティブ側面に着目させる自己イメージの変容アプローチは、一定程度の効果があることが示唆された。特に、このアプローチは外見的な症状(赤面、発汗など)に悩む人にとって有効であると考えられる。また、自己イメージの変容に加え、ビデオフィードバック法を用い、スピーチ中の実際の様子と自己イメージを比較・検討させることで、より肯定的な効果が期待できる。
スピーチ前にポジティブな自己イメージを想像した高不安者の人は、不安が低く、不安であっても周りの人に自分が不安がっている様子は見えていないだろうという認識に変化したとのこと。
さらに、ビデオフィードバックと組み合わせることでよりよい効果が期待できるかも。
・社交不安者は人に悪く思われることを心配するあまりに、
意図せず人への好意的・社交的な行動を少なくなると指摘されている。(クラーク・ウェルズ1995)
社交不安者の悲しいジレンマ。
・スピーチの出来の評価は、各要因で差異は見られなかった。
実は社交不安だろうがなかろうが、人から見たスピーチの評価は変わらなかったようです。なんてことだ。でもそんなもんなのかもしれないね。
要約
社交不安の認知モデルによると、ネガティブで歪んだ自己イメージが不安の維持に重要な役割をもつと指摘されている。本研究の目的は、情動価の異なる自己イメージの保持が、社会的状況でのパフォーマンスへ与える影響を検討することであった。高社交不安群と低社交不安群の参加者を三つのイメージ条件に振り分け、スピーチ前にネガティブ、ポジティブ、統制のいずれかの自己イメージを生成させ、そのイメージを保持したまま、スピーチ課題を行った。その結果、ネガティブな自己イメージを保持した高社交不安者は、統制条件と比較して、不安症状が他者に見えていると評価した。評定者評価においても、ネガティブ条件のスピーチ場面のパフォーマンスの悪化が示された。ポジティブな自己イメージを保持した高社交不安者は、ネガティブ条件と同様に、状態不安が増加したが、不安症状が他者に見えているかどうかの評価は現実的であった。本研究の結果から、ネガティブな自己イメージは高社交不安者により否定的な影響を与え、ポジティブな自己イメージは、ネガティブな自己イメージとは異なる影響をもつことが示唆された。高社交不安傾向および低社交不安傾向の大学生を、ポジティブな自己イメージ条件とネガティブな自己イメージ条件に振り分け、スピーチ課題を課した。ポジティブ条件では「可能な限りポジティブで、自信に満ち、やすらぎと心地よさを感じているように見える自分」、ネガティブ条件では「可能な限りネガティブで、そわそわしていて不安と居心地の悪さを感じている自分」と、課題と無関連のイメージ生成をさせた。その結果、ポジティブ条件の参加者は、ネガティブ条件の参加者と比較して、有意に不安が低下し、自分をより肯定的に評価していた。このように、ポジティブな自己イメージの保持は、不安の減少や肯定的な自己評価の増加の効果があると考えられるが、先行研究が少なく、影響をさらに検討する必要がある。社交不安者がポジティブな自己イメージを保持することにより、不安や身体症状の軽減、自己評価低下の抑制、安全行動の減少などの肯定的な影響が認められれば、自己イメージの変容を促す療法認知療法やビデオフィードバック法)の実証的な根拠となると考えられる。参加者に過去のエピソードに基づいた自己イメージ(ネガティブ・ポジティブ・統制)を保持させたまま、スピーチ課題を課し、状態不安の変化・自己評価を検討する。ネガティブな自己イメージは、不安・自己評価の悪化が予測され、ポジティブな自己イメージは、不安や自己評価の改善といったVassilopoulos(2005)と同様の影響を及ぼすことが予測される。ネガティブな自己イメージによる影響を検討すると、高社交不安群において、ほかのイメージ条件と比較して、不安関連行動得点の自己評価が高値であり、赤面や発汗などの行動が他者に目立つと評価していた。ポジティブ条件は、ネガティブ条件よりも不安が低く、自己を肯定的に評価していた。本研究では、状態不安と不安関連行動の結果から、ポジティブな自己イメージの保持により、内面的な不安感は存在するものの、外面的には不安に関連した様子が他者にあまり見えていないという自己認識に変化が生じていた。この結果から、課題と関連したポジティブ側面に着目させる自己イメージの変容アプローチは、一定程度の効果があることが示唆された。特に、このアプローチは外見的な症状(赤面、発汗など)に悩む人にとって有効であると考えられる。また、自己イメージの変容に加え、ビデオフィードバック法を用い、スピーチ中の実際の様子と自己イメージを比較・検討させることで、より肯定的な効果が期待できる。考察
本研究の目的は、ネガティブ・ポジティブな自己イメージの保持が、スピーチ中の不安・自己評価に与える影響を検討することであった。
ネガティブな自己イメージによる影響の検討ネガティブな自己イメージによる影響を検討すると、高社交不安群において、ほかのイメージ条件と比較して、不安関連行動得点の自己評価が高値であり、赤面や発汗などの行動が他者に目立つと評価していた。これは先行研究と同様であり、社交不安においてネガティブな自己イメージが重要な役割をもつことが確認された。高社交不安者は、恐れている症状が反映された、視覚的情報を過剰に強調した観察者視点の自己イメージを作り出すとされる(Hackmannetal.,2000)。症状を強調した自己イメージをもつことで、自己の身体感覚への意識が高まり、小さな手がかりを検出しやすくなる。その結果として、スピーチ中の自己の様子を評価する段階で、より多くの不安症状が目立つと報告したと考えられる。不安関連行動の自己評価において、ネガティブな自己イメージの影響は、高社交不安群のみに見られ、低社交不安群では見られなかった。この点は、ネガティブな自己イメージの影響が低社交不安群に見られた研究(Hirschetal.,2006)とは異なっていた。先行研究では、ネガティブな自己イメージ条件の低社交不安者に、過去に不安だったエピソードを想起させたうえで、そのエピソードをもとに最悪なシナリオを想像し、その際の自己イメージを生成させており、本研究と比較して情動価がよりネガティブな自己イメージであった可能性が高い。
ネガティブな自己イメージによる影響は、自己評価に加え、評定者評価にも見られた。評定者評価の状態不安と全体否定的行動は、統制条件よりもネガティブ条件の得点が高かった。社交不安者は他者に悪く捉えられることを心配するあまりに安全行動をとってしまい、それが意図せず他者への好意的・社交的な行動を少なくする(Clark&Wells,1995)と指摘されており、ネガティブな自己イメージによって、外顕的な不安様相や否定的行動が高まったと考えられる。差得点の全体的傾向として、自己評価は評定者評価よりも否定的であった。参加者は評定者に比べ、状態不安、BQ全体などの否定的側面は過大評価し、スピーチの出来などの肯定的側面は過小評価する傾向があり、このことはHirschetaL(2003)やVassilopoulos(2005)でも報告されている。
最後に、スピーチの出来の評価は、各要因で差異は見られなかった。
内気と不安を軽くする練習帳 (原書名:Overcoming shyness and social phobia)
社交不安の認知行動療法について、非常に丁寧に書かれている本。
「練習帳」の名の通り、社会不安を克服するためには地道なトレーニングが必要ですが、ひとつひとつ章立てて書かれているので、段階的にステップを登っていけます。自分の思
考や行動を記録していくやり方の説明も明確でわかりやすく、具体的・実用的で、読むと励まされる本です。
人前で話すのが苦手、緊張して上がってしまう、自然に人付き合いができず、社交をつい避けてしまうという状態は「社交不安障害」と呼ばれる。もっとも頻度の高い精神的な困りごとの一つで、有病率は一割を超える。しかし、自分を縛る不安の正体を知って、有効なトレーニングを積めば、改善は十分可能だ。実際にカウンセリングセンターで使われるプログラムを紹介しながら、克服の方法を実践解説。
対人関係療法でなおす 社交不安障害 自分の中の「社会恐怖」とどう向き合うか
具体的な治療法、不安にとらわれるメカニズムの解説などを解説した、SAD治療の入門書的な本。
わたしは数年前にこの本を読んだことがきっかけで治療につながれました。
ではでは![]()





