総務省は5月,2.5GHz帯を利用した高速無線ブロードバンドの免許方針案を公表した。同案によると,第3世代携帯電話(3G)事業者とそのグループ会社は免許付与の対象外となっており,波紋を呼んでいる。ただ,3G事業者も出資比率が3分の1未満という条件で参入の芽は残っている。一躍有力候補に浮上したアッカ・ネットワークスやウィルコムも資金面などを考えると,安閑としてはいられない。全国対象の二つの枠を巡り,事業者間の攻防が水面下で始まった。
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日本での高速ブロードバンド免許方針案が公表され、取得するであろう3G携帯事業者が外され、予想外の結果となった。併せて参入条件も厳しくなっており、日経コミュニケーションではその特集が組まれている。
これによると、参入可能な方式はモバイルWiMAX(802.16e)と次世代PHSで、アッカネットワークスとウィルコムが有望と予想されている。
この2社を軸として、合従連合が組まれるとすると、参入したいNTTドコモはNTTコミュニケーションズの資本が入っているアッカと組むか、KDDIも同様、資本関係のあるウィルコムか、となるとソフトバンクは???3Gを開始したばかりのイーアクセスは???
3Gの事業者が直接的に排除されたことによって外国のメディアでは『日本のWiMAXは死んだ』という見方をするメディアもある。主要なプレーヤー、ベンダーの参加が見込まれないこの競争はマーケットとして死んだという解釈なのだろう。韓国のWiBroもうまくいっていないし、欧州も離陸していない。米スプリントがこけると、残すは米国内の中小事業者のみとなる。
年間売上げ数百億程度のアッカや、数千億のウィルコムが、本当に数千億あるいは一兆円にも及ぶ膨大な設備投資、全国的なサービス・サポート展開に耐えうるか?ウィルコムの場合は比較的容易に拡大すればいいが、携帯事業の経験もないアッカが耐えうるだろうか?
興味はつきないが、周波数のライセンスを売ることによって、外資系ファンドやキャピタルが色気を出して参入することも在り得る。
まさに今夏には新たな戦いが始まることだろう。