NTTドコモ、9社と連携してモバイル検索サービスを提供--KDDI・Google連合に対抗

永井美智子(編集部)

2006/07/18 18:10

 NTTドコモは10月より、公式メニュー「iMenu」において検索サービスを開始する。9社と連携して、公式サイトだけでなく一般サイトと呼ばれるドコモ非公認サイトも検索できるようにし、Googleとの提携で先行するKDDIに対抗する。

 iMenuではまず、メニューリスト上に検索ボックスを設置し、ユーザーがキーワードを入力すると、公式サイトを対象とした検索結果を表示する。この検索エンジンはドコモが独自に開発した。

 また、検索結果の画面では、ドコモが連携する検索サイトも合わせて表示する。このリンクをクリックすると、入力したキーワードをそのまま利用して一般サイトを検索できるようになる。

 FOMA、movaの加入者でiモードを契約しているユーザーが対象。利用料金は無料だが、通信費用が必要となる。なお、検索連動型広告の提供については未定としている。

 ドコモのiMenuにはこれまで検索サービスがなく、カテゴリ別にサイトを紹介するディレクトリ構造を採っていた。新サービスを導入する狙いについて、ドコモでは「公式サイト、一般サイトにかかわらず検索できることで、ユーザーの利便性を高めるのが目的だ。これにより、よりiMenuやサイトを利用してもらいたい」と話している。

 ドコモが連携する企業と検索サイトは以下の通り。

  • リクルート:R25式モバイル
  • 楽天(ポータル・メディア事業カンパニー):Infoseekモバイル
  • マイクロソフト:MSNサーチ
  • ビットレイティングス:F★ROUTE
  • デジタルストリート:OH!New?
  • ウェブドゥジャパン:CROOZ!
  • ライブドア:ケータイlivedoor
  • シーエー・モバイル:SeafTyy
  • NTTレゾナント:モバイルgoo

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携帯の検索サービスはSoftBank (Vodafone) + Yahoo! Japanに始まり、KDDI+Googleが続き、ようやくドコモも9社と連携して検索サービスを始めた。


これは何を意味しているか?


当初iモードでユーザに如何に使わせてトラフィック(パケット数)で料金を稼ぎ、公認のサイトのショバ代で稼ぐというビジネスモデルでNTTドコモは成功した。これに習ってezwebやvodafone live!(旧j-sky)が続き、しばらくはマーケット的に安定した成長を稼ぎ出した。この結果、携帯事業者は沈みいく音声ARPUを食い止め、高い利益率を維持してきた。


ところがここに来て公認サイトによる着メロやコンテンツ系が伸び悩み、非公認サイトにトラフィックが流れ、携帯によるEcommerceはその利便性により伸びているが、検索機能の貧弱性がユーザのストレスを作ってきた。


筆者もezwebを使っているが、その検索情報のヒットのしなささから、ez専用ポータルはほとんど使わず、Y!モバイルで検索している。それでもその情報量はインターネットと比較して圧倒的に少なく、コンテンツ側もインターネット用と携帯用(コンパクト)ページを作る有様だ。


検索エンジンサイトを作っても結局は携帯事業者のプラットフォームの中での検索になり、情報量や検索機能自体が非常に貧素であるため、いくら強力な検索エンジンベンダーと組んでも結局は使われなくなる。


つまり、囲い込み型ビジネスモデルの終焉で、データ系は携帯事業者をこれからはアクセスネットワークの一部としてしか使われなくなるという流れにある。端末側はスマートフォンのように高機能化、EV-DOやHSDPAのように高速・広帯域化していくが、携帯ネットワークはADSLやFTTHと同じく、あくまでもアクセスの一部。


おまけに価格もフラットレート化していくので、トラフィック依存型収益モデルも終焉に近づきつつある。


さらに新規参入2社に加え、新たな無線方式WiMAXなども走り始めて、益々価格競争が激しくなる。


先行3社はただビックネームの名前を借りたいだけなのだろうが、今後の成長シナリオが見えてこない。コンテンツ系はどんどん淘汰され、携帯事業者も固定通信事業者と同じくジリ貧品状態へと走り始めたことを意味する。