「Google Checkout」は成功するか--「Microsoft Passport」との違いに見る可能性

文:Elinor Mills(CNET News.com)
翻訳校正:河部恭紀(編集部)

2006/07/06 11:07

 Microsoftが1999年にオンライン決済システム「Passport」を導入した際、IT業界に大きな騒動が引き起こされた。同システムは、購入者がユーザー名とパスワードを1度入力するだけで複数の小売店サイトで買い物をすることを可能にするというものだった。


 プライバシー擁護者たちはPassportに対して懸念を表明し、また複数の企業がMicrosoftのこの取り組みに対抗しようと結束したせいもあり、Microsoftは小売業者の参加を得られず、Passportの規模を縮小した。


 Googleは米国時間6月29日、一度サインインするだけで複数の参加小売企業で買い物ができるオンライン決済システムとして「Google Checkout」の提供を開始した 。Googleは、AdWordsを利用する顧客商店に対して、この決済システムを割引価格で提供している。また、Googleの検索サービスの利用者は、検索結果ページの広告に表示されたアイコンによって、その広告主の商店では速やかな買い物が可能であると判るようになっている。


 Google CheckoutはアイデアとしてはMicrosoft Passportに似ているが、企業も違えば、時期も違う上、(少なくともまだ)プライバシーにまつわる騒動も起きていない。ここで、世の中は本当に、「邪悪なことはしない(Do no evil)」というモットーを掲げているGoogleを、独占禁止法違反の疑いで米司法省から提訴されているMicrosoftよりも信用しているのだろうか?という明白な疑問が浮かんでくる。


 この疑問に答えるにあたり専門家は、MicrosoftがPassportを導入した時期はプライバシー論争の起こっていた時期であるということと、MicrosoftとGoogleでは技術の実装という点で大きな違いがあるということを指摘している。


 Directions on Microsoftの上級アナリストであるGreg DeMichillie氏は、MicrosoftがPassportを導入した際に「電子プライバシー情報センター(EPIC)やその他の団体が大騒ぎをした」と述べ、「その騒ぎの多くは、Microsoftによる(Passportの)Windows XPへの統合に対するものだった」と説明した。

 「(Passportが導入された)2001年には、米司法省がMicrosoftを(独占禁止法違反)で追求していた」(DeMichillie氏)


 また、Passportはセキュリティ上の問題を複数抱えており、専門家はPassportに適切なセキュリティ保護策が施されていないということを非難していた。


 さらに、Sun Microsystemsを初めとする企業は2001年にLiberty Allianceを結成し、「デジタル認証」に関して競合する取り組みを開始した。ここで重要なことは、それが単独の企業によってコントロールされるものではなかったということだ。


 アナリストらによれば、この点に関していえば、コンシューマーはPassportの使用を強制されることを好まなかった上、企業はMicrosoftが顧客情報を一手に握ることを好まなかったという。


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MSFTの.NET Passportが出たときはものすごく驚いた。


日本でもDSLが立ち上がり始めで、これとあわせてMessangerとかを使ったときは、DSL(BB)上でタダ電話、タダマルチメディア電話、支払い、お買い物などなんでも出来た。当時イーアクセスがMSFTのインターネット上でメッセンジャー~加入電話に抜けられるサービスを独占的に提供しており、海外出張先から国内電話料金で電話が出来たので、このままではNTTが潰れる。ID、カード情報等を登録するため、買い物も出来た。このままでは、世の中のデパート、商店街もいらなくなる、世の中の全ての消費行動・生活がMSFTに支配されると思った。


MSFT恐るべしショック!』と当時友人と驚嘆したことを覚えている。


ところが1年しても流行らない、2年経っても、世の中はMSFTに独占させないように、させないようにと全ての行動に対して監視し、脅威と思われることに対して除外する方向に進んでいる。


一方のgoogleはweb2.0企業の代表格、今のところは革新的会社、先進的技術、誰もが羨望のまなざしで見ている。


Googleの検索能力、Adsenseには驚いたし、G-Mailは驚かなかったけど、Google MAPSや最近発表されているソフトをweb上で(タダで実現しようとしている)サービスには発想、技術力に驚かされる。


今のところは『やれやれ』とか、『がんばれ』って感じの風潮だが、これが次第に独占的な会社に変わっていくと、羨望が妬み、僻みに変わっていき、応援から足を引っ張る風潮になっていくのだろう。


特に既成勢力が既成の枠組み(特に金儲けの)を破壊される(あるいはされそう)と反対勢力となり、MSFTと同じ道をたどるだろうし、逆に世論を味方につけると驀進する推進力となるだろう。