中国で進む IPTV 環境の整備、5年後には世界1位か

著者: 株式会社サーチナ 執筆:サーチナ・齋藤浩一 プリンター用 記事を転送
2005年11月22日 09:30付の記事
国内internet.com発の記事

中国では IPTV(インターネットプロトコルテレビ)の商用試験が最終段階を迎えている。情報産業部の関係者が、年内にも標準規格が発表される見通しであることを明らかにしたことで、今後 IPTV をめぐる動きは一段と加速しそうだ。

情報産業部の関係者によると、中国電信(チャイナテレコム)と上海文広新聞伝媒集団(上海メディアグループ、SMG)が共同で実施しているIPTVの商用試験は3回目に入り、試験ポイントも17都市から23都市に拡大。また、中国網通(チャイナネットコム)と SMG が共同で進めている試験の場所も20都市に拡大されたもようだ。

また、中国通信標準化協会が委託した IPTV 中国標準規格の起草も順調に進んでいることから、業界では、05年末に標準規格が発表されるという見方が強まっている。標準規格は、受像端末本体、セットトップボックス(STB)、サポートをはじめとする7つの分野をカバーするものになる見込み。

インフラ面では、通信機器大手の中興通訊(ZTE)の動きが目立つ。ZTE は、9月に陝西電信の IPTV プロジェクトを落札したのに続き、11月には江蘇電信の IPTV プロジェクトも落札。江蘇電信のプロジェクトの初期規模は約10万件分で、IPTV ネットワークの構築としては中国最大のものだ。

また、外資系の動きも着々と進んでいる。インテルとシスコシステムズは10月中旬、中国の IPTV 分野において戦略的パートナーシップ契約を締結、シスコシステムズがインテルラボに加盟することを発表したばかり。インテルにとって、通信キャリア向けソリューションベンダーであるシスコシステムズの加盟は、先にパートナーシップを結んでいた海信(ハイセンス)や TCL などの製品メーカーに加え、多方面から中国の IPTV 市場への参入を強化するものとして注目された。

一方、セットトップボックスに関しても、中国電信と IPTV 聯合ワーキンググループが進めていた「IPTV・STB 設備技術規範第2版」の策定作業が完了。現在はワーキンググループの参加メーカーが改良作業を進めている。

このワーキンググループは端末メーカーやチップメーカーなど13社で構成されており、リーダーは中国電信インターネット製品部の劉志勇・総監。このうち6社が提供するプラットフォームや STB などはすでにテストに投入されており、一部のサービスを提供しているという。

業界が注目している技術標準について中国電信は、「テスト期間中に MPEG4、H.264、VC-1の中から採用する規格を選定する。将来実用化されるシステムはこれらのうちの少なくとも1つ以上のエンコード・フォーマットをサポートする必要がある」としている。現在のところ、H.264を「必要」フォーマット、VC-1を「推薦」フォーマットとする方針と伝えられている。

市場調査会社の Informa Telecoms & Media のレポートは、全世界における IPTV の加入件数が現在の250万件から2010年には10倍の2500万件にまで増加すると予測。それによると、中国の加入件数は米国の390万件を抜いて490万件となり、中国大陸が世界最大の IPTV 市場になる。ブロードバンドなど高速な通信環境が整うに従い、ユーザーのニーズは今後も多様化していくことは想像に難くない。価格やコンテンツなどの面で既存のテレビといかに差別化を図るかが、中国の IPTV 産業にとって成功の鍵となる。

(執筆:サーチナ・齋藤浩一)


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世界中で進むiptv化の流れ。イタリアFastweb社に始まり、米国、カナダ、韓国、日本、先進国から中国へ。

中国の本格的な流れは世界のiptv標準化の中心となり、再び米国、日本を巻き込む可能性がある。

それと引き換え日本はどうか?メディア側の大きな抵抗、新興ベンチャー系の強引なやり方、コンテンツを所有するメディア側は著作権問題を逆手に難しいといい、新興系やipなら何でも出来ると意気込む。対立の構図は解けそうにない。

10ch程度しかないTVを数百ch、エリアにこだわらず、いろんなtv番組を見たいというユーザの要望はどこへやら。当面は著作権権利処理に問題の少ない、古い名作を見せられるのか。。。

これでは破壊的な進化はない、一度突き進めば、流れは変わるのだが、双方の主張は平行線のまま。再び日本は沈むのか・・・