ソフトバンクBBは10月14日、事業を再編し、ADSL事業を分離すると発表した。ADSL市場が飽和する中、経営資源をFTTH事業などの成長分野に振り向ける狙いだ。
具体的には、まず12月1日付けでソフトバンクBBを「BBテクノロジー株式会社」という社名に変更する。BBテクノロジーはADSL事業を専門的に担当する。同時に、新たにFTTH事業やコンテンツサービス事業、パッケージの流通事業などを行う「ソフトバンクBB株式会社」を設立する。ただしどちらも代表には孫正義氏が就任し、ソフトバンクの100%子会社となる。
さらにモデムレンタル事業を分割してBBモデムレンタル有限会社を設立し、12月中に有限会社ジェミニBBに売却する。ソフトバンクBBによれば、ジェミニBBは投資家グループによる企業で、モデムレンタル事業をソフトバンクグループから切り離して財務を改善するのが狙いとのことだ。なお、BBテクノロジーはBBモデムレンタルと業務委託契約を結び、モデムを借り入れる。
ソフトバンクBBはADSLサービスの「Yahoo! BB ADSL」を2001年9月から提供しており、2005年7月末の接続回線数は493万件となっている。しかしADSLが普及してきたことやFTTHの価格下落により、一時期に比べて加入者数は伸び悩んでいる。一方、FTTHサービスの「Yahoo! BB 光」はADSLほどの低料金プランを打ち出せず苦戦している模様だ。
ソフトバンクBBの社員数は現在約5500名となっており、ADSL事業を切り離すことで組織を小さくして事業の効率化とスピードアップを図る。社員数はBBテクノロジーが2000名、ソフトバンクBBが3500名となる予定だ。なお、現在提供しているサービスへの影響はないとしている。
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この動きは明らかにおかしい。
ソフトバンクは今年度中の単年度黒字を達成しないと第3世代携帯事業者の新規免許を総務省から交付してもらえないという爆弾を抱えているため、意地でも黒字化しようとする動きが見え透いている。
この動きと関連しているのかどうか分からないが、9月末から10月頭の株価高騰と何か連動しているのか?
怪しい。
赤字のモデムレンタル事業を切り離し、モデムを借り入れることにより設備投資から借入金へと付け替えることにより見た目の巨額の借入金はなくなるのか?
これは株主利益を優先しているのか、それとも見た目上の数字の付け替えで社会を裏切っているのか?
ADSL事業は伸び悩み、FTTH事業は成功していない。さらにこれから莫大な設備投資が控えている。免許を貰っても、成功する保証はない。
12月の免許交付、来年度以降の動き、これからどうなっていくか、注目だ。