永井美智子(編集部)
2005/10/11 16:53

 楽天とNTTドコモは10月11日、インターネットオークション事業に関して事業・資本提携することで合意したと発表した。ドコモの持つ携帯電話事業に関するノウハウを楽天のオークション事業に利用することで、業界首位であるヤフーの追撃を図る。

 楽天がインターネットオークション事業の一部を分社化し、新会社となる「楽天オークション」を12月1日付けで設立する。楽天オークションは12月16日にドコモに対して第三者割当増資を実施するとともに、楽天がドコモに楽天オークションの株式の一部を譲渡する。ドコモの出資額は約42億円で、新会社の株式の40%を取得する。

 新会社の資本金は12月16日の増資時点で16億5000万円。社員数は15名で、取締役は楽天から3名、ドコモから2名参加する。

 新会社は楽天が持つオークション事業のうち、個人または個人事業主が出品するオークションサービス「楽天フリマ」の事業を引き継ぐ。楽天市場の出店者が開催する楽天スーパーオークションについては、RMS(Rakuten Merchant Server)という楽天のシステムを利用することから、楽天との共同提供となる。

 今回の提携について、NTTドコモ代表取締役社長の中村維夫氏は「楽天とはずっと一緒に事業ができないかという話をしていたが、オークションは特にモバイルと親和性が高く、今年の夏頃から具体的な話になった。日本のEC業界で第1位の楽天と約4500万人のiモードユーザーを持つドコモが組むことで、PCとモバイルでシームレスに利用できるオークションサービスが展開できる」と自信を見せた。

 また、楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は「モバイル関連でどのような技術をどう使うかというノウハウをドコモは持っている。楽天のECに関するノウハウとドコモのモバイルに関するノウハウを合わせることでモバイルからの使いやすさを高め、モバイルオークションの事業を伸ばしていく」と意気込んだ。

 今回の提携により、楽天はモバイルを中心にオークション事業を強化し、ヤフーに対抗する。楽天の2004年12月期におけるオークション事業の業績は売上高が5億5000万円、営業利益が8300万円となっている。これに対し、ヤフーの2005年3月期における同事業の売上高は58億4100万円、営業利益は40億3900万円と楽天の10倍以上の規模を誇る。なお、楽天とドコモは新会社の売上目標を明らかにはしていない。


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楽天はYahoo!Japanを追従し、ドコモはDeNA/Biddersと組んだauを追従するということのようだが、イメージ的には『NTTドコモ、ついに楽天の軍門に下った!!!』という内容の記事にした方がショッキングだったのではないか?


NTTドコモはこれまでimodeとか自らガーデンモデル(囲い込みモデル)で自分のポータルを通ってもらい手数料で加入者分が多いため稼ぐというモデルだったが、これからは楽天が実質ポータルとなる。ドコモはオークションに加担しているようだが、何の得もない。これまでのimodeと形態は全く一緒で、儲けるのは楽天だ。一方のYahoo!はドコモだろうが、auだろうが、VFだろうが、ウィルコムだろうが、BBモバイルだろうが、サービスを展開できる。オークションサービスプロバイダからすると固定のPCとの親和性は必須だが、携帯事業者をフィックスする理由は何もない。


これは配信ビジネスでも同じことだ。これから携帯事業者は従量制通話料で稼げなくなると、この先益々先細りだ。