Intel Developer Forum JapanでもWiMAXが話題になっているようだが、ITMediaの4/8付け記事にも示されているように、WiMAX (802.16e Mobility)は3G Beyond(現行の第三世代DoCoMoのFOMA、KDDI auのWIN、ボーダフォンのV3G)につづく技術として注目されている。

 

これは固定通信の道がこれまで、伝送交換技術としてTDM → パケット交換(X/.25) →Frame Relay → ATM → IP/Ethernetと進化してきたように、あるいは標準化団体がデジュールスタンダードのITU-TからデファクトスタンダードのIEEEやIETFに中心が移ってきたのと同様に、携帯通信の世界(ワイヤレスの部分)においてもよりIP/Ethernetの世界へと近づいてきていることを示している。

これまで通信事業者独自あるいは主導の規格(NTT規格とかBellcore標準とか)だったものが、市場オリエンテッドな規格に移ってきている時代の流れを示している。携帯の世界ではNTTドコモ陣営では第一世代(アナログセルラー方式)→第二世代(PDC規格)→第2.5世代(i-mode)→第三世代(W-CDMA=FOMA)→第3.5世代(HSDPA)へと続くアナログ→ディジタルTDM→ATM→IPパケットベースへ携帯事業者主導で進化してきた。携帯ネットワークのコア部分とワイヤレスアクセス部分がともによりIPパケットベースへと進化しつつある中で、IMTや3GPPという携帯事業者主体の標準化団体が推進するHSDPAという流れよりはむしろもIEEEのワイヤレスLANとBWAの進化系であるWiMAXの方がよりIP/ETHERNETに親和性が高い。したがって、WiMAXの方がHSDPAよりも市場性が高く、特定のメーカーだけが作れるものではなく、よりオープンな製品ができていくだろう。また、HSDPAよりも帯域が取れるので、ブロードバンドワイヤレスということでより高速な通信、映像配信等の可能になるであろう。

このため、HSDPAで作る携帯インフラよりも(市場競争を受けた結果)格段と安い基地局ができる可能性が高く、これは新興系の事業者が叫ぶAlways on Flat rate (繋ぎっぱなしの固定料金)をより実現できると考える。そのため、エンドユーザは安くで、しかも高速・快適な通信を享受できるようになる。その先は、固定のIPベースのFTTHと携帯のWiMAXによりでIP Multimedia Subsystem (IMS) / MMD (MultiMedia Domain) へと統合され、FMC (Fixed Mobile Convergence)の時代到来へとつながる。