母親の見舞いに行く。
いわゆる「寝たきり」で、
体力的にも超低空飛行で安定しているので、
もう、たぶん帰宅出来る見込みは無い。
かつては病室でも、ひっきりなしに話しをしていて
うるさいくらいだったが、
もう、今は一言も発しない。
それ以前から耳は悪かったから、
たぶん、音声はほぼ、聞こえないだろう。
つまり、能動的な事は何も出来ない。
そういう母親にとって、
どんなに出来が悪くとも、
息子の見舞いは一大イベントなのだ。
かなり認知症も進んでいると聞いているし、
一時は顔を見ても反応が無い時期もあったから、
見舞いには毎週末行っていたものの
記憶は更新されていなかったのではないか。
僕は、日頃から口喧嘩ばかりしていた。
二人ともマシンガンのように言い争うので
恐ろしく体力を消耗する(笑)
それでも、一緒にいる時間は長かったのだろう。
彼女は、僕の顔を見ると、最近は必ず号泣する。
泣くのも体力を使うので、泣かない方が良いのだが
それでも毎回、泣く。
まるで、もう来ないと思っていたかのようだ。
二度と来ないと思っていたところに来た、みたいな。
毎週末行ってる、ってのに(笑)
でも本人は、今や誰にも何のリクエストも出来ない。
つまり、見舞いに来て欲しくても、
それを希望として表明する事は出来ない。
そこに行くのだから、大イベントになるのだ。
しかし毎回このリアクション。
相当に寂しいのだろう。
僕も寂しがり屋だが、
これは間違いなく母親のDNAだなぁ。
そう思いながら、来週も、
彼女の記憶を更新しに行く。