日本漢方には、古くからこんな言葉があります。

 

「原因不明の奇妙な症状には、水滞(すいたい)を疑え」

 

病院の検査ではどこも悪くないと言われるのに、なぜかつらい。日によって、あるいは天候によって症状がコロコロ変わる。

 

そんな「原因不明の不調」の背景には、まず「水(すい)」の巡りの悪さが隠れているケースが少なくありません。

 

ただ、これは「初期の不調だけ」に限ったお話ではないです。 

 

体質やこれまでの経過によって、全体の巡りを妨げている「一番のブレーキ」は、人それぞれ異なります。

 

赤薔薇原因不明の揺らぎや、長引く重だるさには「水」

 

私たちの身体の半分以上を占める「水」は、とても動きやすく、外の環境(湿気や気圧など)の影響を真っ先に受け、気の巡りを介在する媒体になります。

 

このため、

  • 雨の日に頭痛やめまいがする
  • 身体がなんとなく重だるく、しびれる感じがする
  • お腹がポチャポチャと鳴る、胃がもたれやすい
  • 手足が浮腫みやすい

といった症状の引き金になります。 

 

この水の滞りは、症状の始まりはもちろんのこと、「何年もずっと続いている慢性的な不調」として、身体に深く居座ってしまうケースもよくあります。

 

「長年、ずうっと身体が重だるい」という場合、この水の目詰まりが一番のブレーキになっていることもあるのですね。

 

ひまわり頑固に固定化して居座る不調には「血」

 

一方で、流れの悪さが「血(けつ)」の巡りにまで及ぶと、不調のサインがまた少し変わってきます。この状態を東洋医学では「瘀血(おけつ)」と呼びます。

  • 痛む場所がいつも同じで、時に刺すように痛む
  • 慢性的なひどい肩こりや、筋肉の痛みがある
  • 皮膚がガサガサしたり、くすんだりしやすい
  • 長年の月経不順

このように、不調がカチッと固定化してしまっているときには、「血」の巡りを整えてあげることが最優先になる場合があります。

 

重く滞った「瘀血」というブレーキを外してあげることで、ようやく気血水の全体の巡りが動き出すからです。

 

虹今の自分の「一番のブレーキ」を知る

このように、気・血・水のどれを優先すべきかということは、一概に「これだけの期間が経ったから血(あるいは水)が原因だ」と割り切れるものではありません。

  • 天候や気圧に左右されやすい、流動的な「水」の不均衡か
  • 決まった場所に頑固に居座る、「血」のかたよりか

というように、今の自分のこころと身体に起きている「全体のバランスのかたより」によって変わります。

 

身体の中で起きている仕組みは、とてもシンプルです。

 

 今、何が気血水全体の巡りを一番邪魔しているのか。

 

その不均衡を丁寧に見極め、ちょうど良い順番でアプローチしていくことが、自分の中に備わる自然治癒力を空回りさせずに心地よく働かせるための、鍵だと感じます。

 

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