小木森滝は往古川上流に落ちる林道からでも見える大瀑である。2016/04に訪問しているが、行くきっかけになったのは瀑やんの地図であり、この復路なら私でも行けるのではと考えた。小木森と書いて、「おごもり」と読む。さすがに違和感がある。昔は「大小森滝」だったということを知る人は少ないと思うので、明治22年の「三重県紀伊国北牟婁郡地誌」にリンクを張っておく。

 今回のテーマは小木森谷上流の大滝の下流の15m級であり、30m級の大滝に比べて情報が少ない。情報のほとんどは沢登りでの到達であり、山道からルートを開拓するば、並の滝屋さんでも絶景が楽しめることになる。今、手元に資料を見ると、大阪わらじの会の中庄谷さんの1964年のレポがあったので一部を紹介する。「小滝を二つ三つ越して進むと十五米のきれいな滝に会う。右岸は六〇米に及ぶ一枚岩がそびえ、秋の日を正面に受けてテカテカ光っていた。・・・以下大滝について」

 この日は小木森滝へのルート入口に着いたのが、午後1時で遅いスタートだ。大台林道は舗装道もあるが、未舗装が優勢でSUV車でないと厳しい感じだ。花抜峠登山口付近で転回し、堰堤の場所より、少し手前に車を置く。堰堤上部から仕事道を歩くと、15分くらいで小木森滝への分岐で、テープがたくさん付けられていた。今回は小木森谷上流が目的なので、進路を北西に採る。枝が道に張り出して少し歩きにくいが、道なりで問題ない。左岸支流滝を過ぎたあたりから道は少し不明瞭になり、そのまま進むと左前方に大滝が見えた。かなりの大きさに驚く。写真で見るより、現物の方が凄さがわかる。斜面はフリーでも下りられそうだが、持参の20m+10mのザイルを出した。小木森滝を見た後だと印象が変わると思うが、スリバチ状で滝壺もあり、滝もかなり高い。まさに絶景空間である。

 次はこの日のテーマである大滝の下流の15m級の滝だ。行きに左岸下流滝の先で下りられそうな斜面を発見していたので、迷わずここを攻める。小石が堆積した比較的緩い斜面で、ここなら滑落死はない。沢の遡上すると右方に美しい滝が見えた。ちょうど大滝を小さくした感じである。ただ、滝壺の水がこちらのほうがきれいに見えた。さすがにもう小木森滝に行く時間はない。そして、この滝へのルート開拓に満足して帰路についた。

小木森谷奥の大滝

小木森谷奥の小滝

林道からの小木森滝

GPSログ(情報を追加)

花抜峠登山口(この付近は道幅が広い)

駐車場所

仕事道入口

仕事道

小木森滝分岐

踏み跡はわかる

左岸支流滝

降下した斜面(奥の大滝)

斜面からの大滝

降下した斜面(奥の小滝)

沢を遡上する

小滝の右岸の一枚岩