SNS隆盛の時代、やはり写真を見て私も行きたいと思うの普通である。しかし、誰も知らない滝に出会うのもまた違った感動がある。

 今回の「白倉滝」については、奈良県南東部の旧中荘村史でその存在を確認した。以前にも書いたが、国会図書館デジタルコレクションに本登録することで、地方の地誌が見られ、さらにキーワードで全文検索が可能になっている。

 旧中荘村には高滝、黒滝、白倉滝の三滝があるが、高滝は有名、黒滝はマニア向き、白倉滝は忘れられた存在であった。黒滝訪問日には東の谷は探ったが、谷が急峻すぎて撤退。別の日に西の谷と東の谷を上部の林道から探索することにした。しかし、いずれの谷にも上流には名のあるような雰囲気のものはなかった。もうここしかないと推測したのが、五所トンネル北口から延びる谷の下流域だ。左岸に道があるが、滝があるのは霧ヤ谷なので対岸に移る。付近には取水設備があるので、迷惑ならないように慎重に通過する。この谷は危険な高巻きがないので安心だ。そして、水量は少ないが、立派な岩壁の高い滝に出会った。この場所は上部の林道からは気配は感じるが見えないし、五社トンネル北口からも沢を遡行する必要があるため、秘瀑となっていたのだと思う。

GIFアニメ

白倉滝

滝の位置(地理院地図に情報追加)

入口付近(五社トンネル北口)