『好き』をビジネスにしたい女性たちへ…お店の収益を上げる視点

 

前回は、出店を考えている方のために、固定費の負担と立地条件についてお話ししました。今回は、お店で収益を上げる視点について2つお話しします。

 

 

お店の販売高を上げる視点・・・来店客数と客単価

最初に、お店で売上を上げるために必要な、最低限考えないといけない要素について理解しましょう。お店の収益は、以下の4つの要素で成否が決まって来ます。場所を選ぶ時の、目安にして下さい。

 

①    店前通行量・・・お客様をお店に呼び込むには、お店の前面道路が人で賑わっていることが必要です。お店の前の道路を人が行き交い、活気がある場所になっていなければお店に人は入って来ません。店舗での販売を考えるなら、人の流れる方向と時間、通行量に気をつけてお店の場所を選びましょう。

 

②    入店率・・・・・お店の前面道路を行き交う人々に、店舗や扱う商品に興味を持って頂き、たくさんの人に入って頂ければ売上を増やすことにつながります。店前を通行する人の中からどれほど入店して頂けるかは、売上増加に直接影響する要素です。入りやすい店舗にできるかなという視点で、候補となるお店を選んで行きましょう。

 

③    商品単価・・・・お店に入ってきて頂いたお客様が購入する商品の単価も、お店の売上に貢献する要素です。単価の高い商品を販売できる環境を整えることが、成功につながります。商品の魅力を十分に表現できる店頭を作れるかという視点で、お店を見てみましょう。

 

④    買上点数・・・・お店に入ってきて頂いたお客様に、なるべくたくさんの商品を買って頂ければ売上増加に貢献します。ひとつお買い物をして頂いたなら、その関連商品を一緒に買って頂くなどの営業推進が、買上点数で売上を上げる秘訣です。関連販売まで展開できる広さがあるか、検討してみましょう。

 

上記の要素ごとに施策を工夫して、お店の売上を増やしていくことが、お店のマネージメントです。来店するお客様の数を増やし、ひとり当たりお客様の単価を増やしていくことが、お店の運営の基本です。お店を出す前に、マネージメントのイメージをつかんでおいてください。

 

お店の売上=来店客数×客単価=(店前通行量×入店率)×(商品単価×買上点数)

 

 

お店の販売効率を上げる視点・・・展示方法と売場構成

本ブログの5回めで、品揃えのお話しをしました。事業には、将来の夢につながる商品と、目先のビジネスを維持するために資金を捻出できる商品の2つが必要です。

 

お店を持っても、この2つの商品が必要なことは変わりません。今日明日に売れる商品でお金をまわして、夢につながる商品を大事に育てることが、お店の発展につながります。2つの商品を補完しながら売っていける販売割合を考えなくてはなりません。

 

この2つの商品を販売するためには、売れ筋商品と夢につながる商品の両方の種類の製品を、前面道路から見える位置に展示すれば一目でどのような商品を扱っているかわかるようになります。全ての製品が見なくても構いません。どのような種類の製品があるのかを、通行する人にPRできればいいのです。あなたの製品の魅力を引き出す展示をして、入店率を上げるように工夫しましょう。

 

また、店内では単価の低い商品はたくさん売るために売場面積を広くとり、単価の高い商品は落ち着いて接客しながら丁寧に販売できるように店の奥にスペースを設けると、お店全体での売上が向上していきます。

 

お客様の単価を上げるための施策と、店舗の効率を上げるための施策の両輪がかみ合えば、固定客をつかまえながら発展していく道筋が見えて来ます。お店を持ったら心得ておきたい2つの視点を頭の片隅に置きながら、日々の業務に励んで下さい。

 

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