今年留意したい事柄(前回に追加したい視点)

 

 

新年、おめでとうございます。皆様、年末年始をお健やかに過ごされましたでしょうか。

前回、経済の見方が変わっていないかコメントしました。年始にあたり、経済とそれに関連する国際社会の視点で留意したいことを書いておきます。

 

 

インフレ対策に留意したいこと(米国の一国勝ち、他は全滅とならないか)

今回のインフレは、もともと経済停滞が始まっていたところにコロナ禍で商流が停滞したことで発生しました。労働者が消え、物流が停滞。つまり主たる要因は供給不足にあります(経済が過熱して物価が上がったわけではありません)。これに経済対策のためにお金をジャブジャブ出していったことがインフレにつながりました。

 

インフレを抑制するために米国は(経済過熱型の対策である)金融引き締め(金利の上昇)で対処していますが、金利の上昇は投資意欲を阻害し、世界経済が減速する懸念があります。

 

世界の観点で見ると、米国での金利引き上げはドル高をもたらし、それが米国のインフレを抑制する効果はありますが、逆にそのほかの国は通貨安を通してインフレが加速する面があります(日本がようやく物価高になり金利引き上げに舵を切りましたが、それまでは通貨安が止まりませんでした)。

 

この流れが続くと米国以外の経済が悪い国でも金利を上げないと通貨安で国の財政がもたなくなり、いずれ金利高・通貨安・経済の後退で国家財政を維持できない国が出てきそうな感じです。

 

すでに米国の労働統計では供給不足が緩和されている兆しが見えています。前回記載の通り、技術革新で物流改善までのタイムラグが長くなっている可能性はありますが、今年は金融引き締めをどこで止めるのか、その時に財政困難な国に破綻の懸念はないのかに留意したいところです。

 

 

気候変動は自然環境ばかりでなく社会思想にも大きな影響を及ぼす

今の世界の大問題は、ウクライナ戦争と気候変動でしょう。ウクライナについては前回コメントしました。ここでは気候変動の生活への短期的な影響(今年の課題として短期としました)を見ていきます。

 

気候変動で目に見える問題は、世界各地で起こっている旱魃や洪水による自然災害の増加や深刻化です。これにより農業生産が減少し先々飢饉の深刻化などが懸念されますが、加えて気候変動がエネルギー問題を深刻化させているのは周知の通りです。

 

すでに水資源や食物の消費抑制や、資源ごみの選別などに取り組まれている方は多いかと思います。今できることを着手するのは必要ですが、加えて、今年あたりは東アジアやアフリカなど従来から周辺国と位置付けられてきた国々の動向に、より意識を向けなければならなくなると思います。

 

気候変動は発生した地域により地政学的な影響も与えますので、エネルギー偏在が安全保障リスクに及び、ウクライナなどの地域紛争に及べば基本的人権の問題にまで拡大します。つまり、この問題は長期的な地球環境の問題を超え、すでに身近な「隣地隣国、明日は我が身の問題」になっているのです。

 

アジアで言えば、中国などの政治の問題はもちろんですが、内陸部の自然環境破壊とその影響の問題も見逃せない問題です(これは広範囲に広がる問題になりかねません)。

 

この辺りの認識を改めないと、乗るべき世界の潮流には置いておかれ、対処すれば緩和できたかもしれない生活環境の問題の糸口すら失いかねない、そんな年になるような気がします。

 

©2016-2023_Yutaka Tachibana