ビジネスモデル構築と実務知識の重要性
今、クライアントの仕事で、新しいビジネスモデルを構築中です。
従来のビジネスモデルは商品の売り切り制。所謂フロー型のビジネスモデルです。
そしてこれを毎月定額の成果報酬型のモデル、所謂ストック型の
ビジネスモデルを構築中なわけです。
もちろん、従来の売り切り制も捨てたわけではなく、新しい売り方もラインアップに加える、
ということで、お客さんにとっては選択の幅が広がります。なので、売りやすくなる。
で、本日のお題はこういったビジネスモデルを構築するときの実務知識の重要性。
具体的には資産計上と減価償却です。この辺りは大企業にいると経理とか
専門部署に投げる案件なので、結構知らない領域。
僕も恥ずかしながら良く知りませんでした。
MBAでも習ったけど、知っていると理解しているは別の話。
今回の論点は資産計上しなくてはならないのか(経費で落とせないのか)、
また資産計上をする時には、償却期間をどの程度取るのかなどです。
これにより、その資産を売却した時の資産の残存価値により、売却益となるのか、
売却損となるかが決まります(売価-残存価値)。
この辺りを掘るには税務、経理両方の知識が必要なわけです。
例えば、製造原価50万円の資産を7年で償却した場合、35%の定率法で償却すると
以下となります。
| 製造原価 | \500,000 | ||
| 償却額 | 償却率 | 残存価値 | |
| 1年目 | \175,000 | 35% | \325,000 |
| 2年目 | \113,750 | 35% | \211,250 |
| 3年目 | \73,938 | 35% | \137,313 |
3年後に売却した場合、この資産の残存価値は¥137,313ですので、
これを上回る額で売却できれば、経理上も売却益が計上できます。
確かにキャッシュフローには関係無いですが、ここら辺はBS、PLにはしっかり計上されます。
つまりビジネスモデルを構築する際には、キャッシュフロー上のの収益計算も
必須ですが、会計上の収益計算も視野に入れて、ビジネスモデルを構築する
必要があるわけです。そして財務諸表はベンチャーのみならず、企業にとって重要なもの。
つまり経営そのものです。
また例えば上記の計算でいくと、残存価値自体が微々たるものなので、
資産計上するか否かの税務上の扱いは実はさほど重要ではなく、
むしろ、製造原価をいかに低く抑えるか(残存価値を下げるため)、
という点が重要になってきます。つまり論点が変わるということです。
こういう実務知識がないと、ビジネスモデルの構築もうまく出来ない、
という事を非常に実感しました。また大切なことは、この様な実務知識を
定量的にすばやく計算し、ざっくりとした経営判断を下せる、という
定量思考だと思います。これをYさんは会議の席上で即座にやった。
人間的には問題の多い人ですが、こうした実務知識、そしてそれを
定量的な経営判断に落とし込む能力は謙虚に見習いたいと思ってます。
僕はこうした経験から得る実務知識を極めて重視してます。
良く分かっていない人ほど、こうした細部の実務知識を軽視する傾向があるのでは
ないでしょうか。『経営とは大局観だ』みたいな。
なによりもビジネスモデルとは細部にわたる検討、詰めが成否の鍵を握っていると
思ってます。この考え方に関して、先輩のブログに最高のバックアップ材料が
あったので、以下に引きます(Tさん、無断引用スイマセン)
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友人とサシで酒をのみながら、「今まで影響を受けた人」
というテーマで語る。
彼は、R天のM谷さんに近かった事があるが、彼は
「異常なまでの執着心」を持って、細部に拘るのだという。
また、これまた異常なまでの記憶力を持っており、部下への指示を
細部まで覚えており、部下のサボタージュを許さない。らしい。
週の報告会議とか、社員は「吐きそうなくらい」のプレッシャーを
感じて、会議に向かった、と。
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完全に同感です。『神は細部に宿る』とか『当たり前のことを当たり前のようにやる』
とかは根底の部分で『実行の重要性』を共有していると思います(戦略の重要性を
否定しているわけではありませんが)。
だから僕はこうした細かい実務知識を日々積み上げていきたいと思います。
こうした新しい発見に出会える今の仕事に感謝してます。