ベンチャー企業の粉飾~新興市場に対する『信用』の更なる失墜
JASDAQ上場のベンチャー企業であるプロデュース社が粉飾疑惑に9月19日に
証券取引監視委員会から強制調査を受け、26日には民事再生手続きの開始と
実質1週間で倒産しました。負債総額は74億円強。
1992年の創業以来、13年の年月をかけ2005年にJASDAQ上場。
2008年には過去最高益を記録し、2009年度も増益を見込んでいたそうです。
その矢先にこの様な大失態。会計上もやばそうな企業で粉飾が発覚したのなら、
『やっぱり』みたいな気にもなりますが、最高益を謳う企業が、売上の4倍もの
負債を抱えていたとは。これは大変な信用の失墜ですよね。
米国発の金融危機と相まって、既に超逆風状態の新興市場にとって
致命傷のような気がします。
プロデュース社は太陽電池向け検査システムなど時勢に則した製品を
扱っていたようで、かなり評価も高かったそうです。ところがはやり虚構の塔だったようで、
創業メンバーである社長自らが、粉飾に手を染めていたそうです。
皮肉なのは、直前の9月17日にはJASDAQから『優良IR賞』も受けていたこと。
企業も企業なら、取引所も何をやっているのでしょうか?
僕はベンチャー企業の支援を生業としてますが、やればやるほどベンチャー企業にとって
『信用』って大事だと痛感させられてました。何せ与信が通らず、口座さえ開いて
もらえないのですから。極論を言えば、キャッシュはビジネスモデル次第で何とでも
変えられます。また時間もさほど掛かりません。でも一度失ってしまった『信用』を
取り戻すのは非常に難しいし、何より時間が掛かります。
今回の一件での僕の一番の懸念は、プロデュース社の粉飾疑惑が、
日本のベンチャー企業全体として捉えられてしまうこと。
日本はどうも新興市場アレルギーが強いらしく、個別企業のスキャンダルを
あたかも市場全体のシステミック・リスクと捉える傾向が強いと思います。
ただ、ベンチャーに携わる者として、真面目にコツコツやっている
ベンチャー企業までもがこの様な偏見に晒されるのが、非常に辛いです。