その日の前に | 「得手に帆を上げて」 

その日の前に

重松清の本です。


http://www.amazon.co.jp/%E3%81%9D%E3%81%AE%E6%97%A5%E3%81%AE%E3%81%BE%E3%81%88%E3%81%AB-%E9%87%8D%E6%9D%BE-%E6%B8%85/dp/4163242104/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1220188323&sr=8-1


去年読んだ本ですが、今は重松清の別の本を読んでいるので、

懐かしくなって、書いてみようと思いました。以下、書評です。


~書評~

「男女が出会って、夫婦になって、家族をつくって、それは幸せな一生なのだろうか。消え行く命の前でなすすべもなく、静かに妻を見送る父と二人の息子。愛するひとを亡くしたあとも、ささやかな暮らしはつづいていく。愛するひとを忘れることは罪なのか。忘れられないことが、哀しい罰なのだろうか……。」


この本は幾つかの短編集から成る本ですが、1つの共通するテーマがあります

「ガン」です。そしてそれがもたらす「死」、逝く者、その死と向かい合う家族、そして「死」の後の
家族の生活。それぞれの立場から「死」を描いてます。


この本は辛いです。本当に辛い。久し振りにボロボロに泣いてしまったのを覚えてます。

「死」の間際、子供をあやしながら、懸命に妻に向かって語りかける夫。

妻は死に、夫は妻からのメッセージを手渡されます。そこには妻から夫へ

一言だけメッセージが書いてあります。


「忘れて良いよ」


皆さんは愛する人が死の間際に「(自分のことを)忘れて良いよ」と言ったら

どう思いますか?これは様々な受け取り方があると思います。

夫に苦労を掛けまいとする妻の思いやり。多分あると思います。

でも、これは残された方からすると本当に辛い言葉です。

忘れられるはずが無い、と思う。だからこの本は辛かった。



かけがえの無いものを失ったとき、人はどんな想いを抱くんでしょうか?


「悲しみがあるから、喜びもある」、「悲しみを乗り越える」。

真実だと思います。でも・・・この本は辛かったです。