その日の前に
重松清の本です。
去年読んだ本ですが、今は重松清の別の本を読んでいるので、
懐かしくなって、書いてみようと思いました。以下、書評です。
~書評~
「男女が出会って、夫婦になって、家族をつくって、それは幸せな一生なのだろうか。消え行く命の前でなすすべもなく、静かに妻を見送る父と二人の息子。愛するひとを亡くしたあとも、ささやかな暮らしはつづいていく。愛するひとを忘れることは罪なのか。忘れられないことが、哀しい罰なのだろうか……。」
この本は幾つかの短編集から成る本ですが、1つの共通するテーマがあります
「ガン」です。そしてそれがもたらす「死」、逝く者、その死と向かい合う家族、そして「死」の後の
家族の生活。それぞれの立場から「死」を描いてます。
この本は辛いです。本当に辛い。久し振りにボロボロに泣いてしまったのを覚えてます。
「死」の間際、子供をあやしながら、懸命に妻に向かって語りかける夫。
妻は死に、夫は妻からのメッセージを手渡されます。そこには妻から夫へ
一言だけメッセージが書いてあります。
「忘れて良いよ」
皆さんは愛する人が死の間際に「(自分のことを)忘れて良いよ」と言ったら
どう思いますか?これは様々な受け取り方があると思います。
夫に苦労を掛けまいとする妻の思いやり。多分あると思います。
でも、これは残された方からすると本当に辛い言葉です。
忘れられるはずが無い、と思う。だからこの本は辛かった。
かけがえの無いものを失ったとき、人はどんな想いを抱くんでしょうか?
「悲しみがあるから、喜びもある」、「悲しみを乗り越える」。
真実だと思います。でも・・・この本は辛かったです。