野茂の引退
若干旧聞に属しますが、野茂が引退しましたね。
本当に「ご苦労様でした。思い出をありがとう」と言いたいです。
今でこそ大リーグには日本人選手がたくさん活躍してますが、
当時は本当に未知の世界でした。野茂が米国に渡った95年。
僕は当時カナダの大学にいました(未だアメリカの大学に編入する前です)。
野茂は向こうでも本当に衝撃的に捕らえられていました。
トルネード。三振の山。アメリカ・カナダ人も日本人も皆で喝采を送ってました。
そしてオールスター戦で先発と言う、とんでもない栄誉がありましたね。
あの試合は生で見てたのですが、日本人がメジャーのしかも
オールスターで、しかも先発で投げるなんて。本当に誇りに思ったものでした。
当時カル・リプケンの連続出場試合がかかっており、オールスターで
対戦する前にもアメリカの三流マスコミは「野茂がカル・リプケンを怪我させたら、
アメリカは第2次太平洋戦争を仕掛ける」みたいな低レベルの圧力を掛けてましたが、
そんなの無視して、きっちり投げきりました。
でも僕が感じる野茂の凄さって、実はその後なんです。
3Aに落ちながらも、中南米に行きながらも再びカムバックを目指して
投げ続けたその姿。その凄さ。日本人メジャーリーガーの先駆者として
未知の大陸を開拓した、往年の栄光が彼の胸中に去来し続けてたと思います。
それでも、彼は歩き続けた。そこが野茂の本当の凄さだと思います。
野茂はかつてこんなことを言ったそうです。
「いつまでも投げていたい。草野球の投手でもいいんです」
野茂の生き様を見て、以前ブログで取り上げたセオドア・ルーズベルト大統領の
「The Man in the Arena」というスピーチを思い出しました。
以下に引きます。
(原文)
"It is not the critic who counts; not the man who points out how the strong man stumbles,
or where the doer of deeds could have done them better. The credit belongs to the man
who is actually in the arena, whose face is marred by dust and sweat and blood;
who strives valiantly; who errs, who comes short again and again, because there is
no effort without error and shortcoming; but who does actually strive to do the deeds;
who knows great enthusiasms, the great devotions; who spends himself in a worthy cause;
who at the best knows in the end the triumph of high achievement, and who at the worst,
if he fails, at least fails while daring greatly, so that his place shall never be with those
cold and timid souls who neither know victory nor defeat."
(訳文)
"批判はどうでもよい。つまり人がどれだけ強く躓いたか、行動力のある辣腕の人にやらせたら
どこがもっとうまくできたか、粗探しはどうでもよい。名誉はすべて、実際にアリーナに立つ男にある。
その顔は汗と埃、血にまみれている。勇敢に戦い、失敗し、何度も何度もあと一歩で届かないことの
繰り返しだ。そんな男の手に名誉はある。なぜなら失敗と弱点のないところに努力はないからだ。
ところが常に完璧を目指して現場で戦う人、偉大な熱狂を知る人、偉大な献身を知る人、
価値ある志のためなら自分の身を粉にして厭わない人…結局最後に勝利の高みを極めるのは彼らなのだ。
最悪、失敗に終わっても少なくとも全力で挑戦しながらの敗北である。彼らの魂が眠る場所は、
勝利も敗北も知らない冷たく臆病な魂と決して同じにはならない。"
野茂さん、本当にお疲れ様でした。